太田 特養が低料金だからといって、決してサービスが悪いわけではないことは知っていただきたいですね。有料老人ホームでも特養でも、大切なのは本人と合うか合わないかです。
私はもう一つ、在宅を希望する気持ちが強いなら、本当に無理なのか検討することをおすすめしたいです。在宅のまま小規模多機能型居宅介護(デイサービスやショートステイなどを一体的に提供する地域に密着したサービス)などを使えば最期まで暮らせるかもしれません。そして施設に入るお金を自費サービスに当てれば、自宅の環境整備を行うこともできます。

◇グスタフ・ストランデル(株式会社舞浜倶楽部代表取締役社長)
スウェーデン出身。1992年、交換留学生として早稲田大学高等学院で学ぶ。その後、北海道東海大学の交換留学生として再来日。2003年、スウェーデン福祉研究所の所長に就任し、高齢者福祉をテーマにスウェーデンと日本、両国の調査・研究を重ねる。日本国内250カ所以上の施設を見学し、自らの施設運営を経て、12年から現職。浦安市介護事業者協議会の会長も務める。

◇安藤滉邦(株式会社ケアプロデュース代表取締役)
介護保険スタート以前の1998年から介護業界に従事。有料老人ホーム22棟の統括マネジャーを経て現場を離れる。2004年に株式会社ケアプロデュースを設立し、老人ホーム・介護施設の紹介事業「有料老人ホーム情報館」を開始。現在は施設の情報提供のほか、訪問マッサージ事業、訪問診療の紹介・情報提供に特化したメディカルサポート事業、身元保証、後見、葬儀、相続等の高齢者総合相談室を目指している。

◇太田差惠子(介護・暮らしジャーナリスト)
1993年から老親介護の現場を取材。96年に遠距離介護を支援するNPO法人パオッコを設立し、現・理事長。AFP(アフェリエイテッド ファイナンシャルプランナー)の資格も持ち、老人ホーム選び、介護とお金にも詳しい。主な著書に『高齢者施設 お金・選び方・入居の流れがわかる本 第2版』(翔泳社)、『遠距離介護で自滅しない選択』(日本経済新聞出版社)など。

(文/武田洋子)

※「高齢者ホーム2021」より抜粋