「13歳から仕事をしていたので、芸能界は『鈴木蘭々』だから気を遣って優しくしてくれる世界だったとインタビューで語っていました。でもニューヨークでは、自分のことを知らなくても親切に接してもらえたことがとてもうれしかったそうです。帰国後は活動の場をミュージカルなど舞台に広げたものの、13年には所属していた事務所を退社。その後、かねてから興味があったという化粧品の会社を設立し、『NARIA COSMETICS』という基礎化粧品ブランドをプロデュースしています」(前出の編集者)

■舞台では代役として何度も抜擢される

 明るい笑顔がトレードマークの鈴木だが、プライベートでは、10歳上の長兄が不祥事を起こしたり、8歳上の次兄が鈴木が18歳のときに逝去していたりとつらい過去もあったという。次兄に関しては「涙が流れることもあったけど、だんだん悲しい涙が、ありがとうの涙に変わった」と、長い時間をかけて心境の変化があり、常に感謝しているとインタビューで語っていた。

 40代も半ばに差し掛かった鈴木だが、4月にはデジタルシングル「Mother」をリリースするなど、歌手活動も再開。パワフルながら伸びのある抜群の歌唱力は健在だ。さらに8月からはYoutubeでチャンネルを開設。今後は企画モノを中心に配信していくという。登録者数はまだ少ないが、精力的に動画を投稿しているようだ。

 TVウォッチャーの中村裕一氏は、そんな彼女の魅力についてこう分析する。

「ショートカットがよく似合うポジティブキャラとして人気を博した彼女。自ら作詞を手がけたデビュー曲『泣かないぞェ』は、タイトルの『ェ』の謎を含めいまだにインパクトがありますし、梅酒片手にダチョウに追いかけられるチョーヤの梅酒のCMは多くの人の記憶に残っていると思います。キャラが先行しているイメージですが、実は“女優界のピンチヒッター”としても有名なんです。大人計画の舞台『キレイ』では酒井若菜、『ジキル&ハイド』では知念里奈、そして『ベントラー・ベントラー・ベントラー』では平山あやの代役をそれぞれ短い準備期間にもかかわらず立派に務め上げた、かなりの実力の持ち主。しばらく遠ざかっていますが、ぜひ連続ドラマで活躍する姿も見てみたいですし、これからもマイペースで活動を続け、私たちを楽しませてほしいですね」

 昔と変わらぬキュートなルックスと切れのあるトークで、今後はバラエティー番組をはじめ、各所で彼女の活躍を見る機会が増えるかもしれない。(高梨歩)

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高梨歩

高梨歩

女性ファッション誌の編集者など経てフリーライターに。芸能やファッション、海外セレブ、育児関連まで、幅広いジャンルを手掛ける。活動歴は約20年。相撲フリークの一面も。

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