しばらく続いた浅尾時代。それに輪をかけて世間を騒がせたのは、美しき守り姫としてバレーボール日本代表でブレイクした菅山かおるの転向だ。透き通るような白い肌を持った菅山の水着姿を報道しようと、再び多くのメディアが会場に駆けつけた。菅山は2009年の転向後、その翌年には国内ツアーの決勝まで進出するなど短期間で大きく成長。プレーヤーとしての才能も大いに見せつけ、周囲を驚かせた。

 佐伯、浦田、浅尾、菅山と個性豊かな顔ぶれでバトンをつないできたビーチ美女の系譜。アンカーとなるのは、「新世代の妖精」と謳われている坂口佳穗だ。春の高校バレーやVリーグなどのバレーボールの大きな実績はなく、大学時代からひたすらビーチバレーボールに取り組んできた。

 そんな中、一気に注目を集めたのは2015年の週刊誌のグラビアへの登場だ。ビーチの宝として愛くるしい笑顔、当時19歳という若さを放出し大きな反響を呼んだ。注目されて以降、なかなか結果を出すことはできなかったが、2018年の「マイナビ ジャパンツアー第2戦東京大会」で初優勝し、2019年には「マイナビ ジャパンツアーファイナル グランフロント大阪大会」を制覇。真の女王として階段を上り始めている。

 改めて振り返ってみると、4~5年周期でビーチには女神が現れている。坂口が注目されてから5年。そろそろ世間の目を釘付けにする新たなヒロインが出てくる頃か……。夏が終わってしまっても、2020年に限ってはこれからシーズンの本番を迎える(感染症防止対策のため大会を延期したため)。今後のビーチバレーボールの動向から目が離せない。(文・吉田亜衣)

●吉田亜衣/1976年生まれ。埼玉県出身。ビーチバレーボールスタイル編集長、ライター。バレーボール専門誌の編集 (1998年~2007年)を経て、2009年に日本で唯一のビーチバレーボール専門誌「ビーチバレーボールスタイル」を創刊。オリンピック、世界選手権を始め、ビーチバレーボールのトップシーンを取材し続け、国内ではジュニアから一般の現場まで足を運ぶ。また、公益財団法人日本バレーボール協会のオフィシャルサイト、プログラム、日本ビーチ文化振興協会発行の「はだし文化新聞」などの制作にもかかわっている。