巨人などで活躍した真田裕貴も高校時代はスラッガーだった (c)朝日新聞社
巨人などで活躍した真田裕貴も高校時代はスラッガーだった (c)朝日新聞社

 高校通算本塁打が多かったプロの投手は誰か?

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 ランキング上位に名を連ねる選手は、高校時代にエース&4番だった者も多い。二刀流の大谷翔平(56本、花巻東-現エンゼルス)は別格としても、中田翔(87本、大阪桐蔭-日本ハム)、吉岡雄二(51本、帝京-巨人-近鉄-楽天)、濱中治(同、南部高-阪神オリックスヤクルト)らは、プロ入り後、打者に転向しているので、あくまで「投手限定」を基準に、大谷も含めて除外した。

 また、高井雄平(37本、東北-ヤクルト)と宮出隆自(34本、宇和島東-ヤクルト-楽天)は、投手として1軍で実績を残したあとに打者転向。嘉勢敏弘(52本、北陽-オリックス)も二刀流だったので、これまた有資格者とは言えない。

 そんななかで、プロ入り後も投手一本を貫き、高校時代に48本の本塁打を放ったのが秋山拓巳(西条-阪神)だ。

 高校時代は“伊予のゴジラ”の異名をとり、翌春のセンバツ出場を決めた2008年秋の四国大会準決勝、高松商戦では、高知・春野球場のバックスクリーンに特大の満塁本塁打。直後、一塁ベースを回ったところで、ベースの上を踏み損ね、スッテンコロリンと派手に転倒する珍プレーも演じている。

 だが、センバツでは2打数2三振1死球と快音が聞かれず、1回戦でPL学園に0対1と惜敗。連続出場の夏も、投手として最速150キロをマークしたものの、6打数1安打2四球と不発に終わり、2回戦で今宮健太(現ソフトバンク)の明豊に0対4で敗れた。

 結果的に甲子園で150キロを出したことが自信となり、投手としてプロ入りしたが、昨季までの打撃成績も、131打数23安打2本塁打11打点の打率1割7分6厘と、投手にしてはまずまず。かつての“ゴジラ”を彷彿とさせるパワーも健在だ。

 17年8月18日の中日戦(ナゴヤドーム)では、6回に伊藤準規から右翼席最上段へプロ1号となる2ランを放ち、「投手の打球とは思えない」と周囲を驚かせた。

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久保田龍雄

久保田龍雄

久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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