プロ入り後は、高卒1年目に6勝を挙げるなど、通算24勝28敗、防御率4.42の投手成績を残したが、NPBで実働12年間の通算打撃成績は、48打数2安打0本塁打0打点28三振の打率0割4分2厘に終わり、高校時代の強打の片鱗も見せられなかった。

 投手以外での出場2試合は、意外なことに、いずれも清原和博の代走だった。

 他には、14本の松坂大輔(横浜高-現西武)も「投手限定」なら上位クラス。春夏連覇を達成した98年夏の甲子園では、6試合中4試合で4番を任され、2回戦の鹿児島実戦の8回、杉内俊哉(ソフトバンク巨人)から左翼席に試合を決める2ランを放っている。

 プロ入り後は、中日時代を除き、DH制がほとんどとあって、打席に立つ機会は少ないものの、西武入団2年目の00年8月7日のオリックス戦(グリーンスタジアム神戸)で、6対3の9回2死満塁のチャンスに代打で登場し、中前に2点タイムリー。1失点完投勝ちした06年6月9日の阪神戦(甲子園)でも、5対1の8回、ダーウィンから左中間にプロ1号となるダメ押し2ランを放つなど、高校時代の4番はダテではなかったことを証明した。

 NPBでの通算打撃成績は、42打数7安打1本塁打5打点の打率1割6分7厘、メジャー通算は37打数7安打0本塁打3打点の打率1割8分9厘。もっと打数が多ければ、本塁打も桑田と同じくらい打っていたかも……と惜しまれる。(文・久保田龍雄)

●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球 を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍プロ野球B級ニュース事件簿2019」(野球文明叢書)

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久保田龍雄

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久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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