信じられないような殺戮攻撃が代名詞。イス攻撃などは当たり前。多種多様な凶器を使用、通常の生活ならば刑事事件に発展するような攻撃もおこなった。

『ビッグファイヤー(火炎噴射)』は、ポーゴを一躍、有名にした反則攻撃。口に含んだ油に火をつけ吹き付けて攻撃するもの。ポーゴ以前もザ・シークなどが火炎攻撃をおこなっていたが、持ち込んだ火種などを使用するものだった。口から火をダイレクトに吹きつけるという意味でも斬新だった。

「ロックバンド・KISSのステージ・パフォーマンスを参考にした」「WWFリッキー・スティムボートのパフォーマンスを見て」など、使用のきっかけには諸説ある。

 遠くからでも視認性が抜群であり、天井付近まで燃え上がる炎に、会場全体が悲鳴に包まれた。今では多くの会場において消防法等の関係で火器使用は禁止されているが、ポーゴ全盛時代は後楽園ホールなどでもよく見かけられた光景だった。また地方会場などでは、わざわざ会場屋外へ出てまで火を吹いた。

 決着をつけるため多用したのが『チェーン絞首刑』。相手の首にチェーンを巻きつけ、トップロープ越しに場外へ吊るしてKOするもの。相手が失神してしまうため、吊るされた瞬間にレフリーは試合を止めることも多かった。

 チェーンといえば、ブルーザー・ブロディが入場の際に振り回す演出道具として有名。同じく『キングコング』を名乗る、真壁刀義(新日本)も首に巻いて入場したり、腕に巻いてラリアットすることもある。しかしポーゴの場合は、直接的な首絞め道具として使用していたのが特徴だ。

 本来、首絞め攻撃は『チョーク』と呼ばれる反則。しかしFMW以降のデスマッチ系団体では、試合形式によって反則も許容されていた。賛否両論が渦巻いた部分でもあったが、身を削った戦いを繰り広げていたことの証明でもある。

 凶器を詰め込んだカバンを入場時には持参。中には鎖鎌やノコギリといった凶器もあり、常識では考えられないものがぎっしりだった。

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「凶器じゃねえ、武器と呼べ」