そして直近の2016年のリオデジャネイロ五輪で語るべきは手倉森誠監督だろうか。タレント不足に悩みながらも、その中でベストメンバーを作らずに毎試合違うメンバーで試合に挑み、アジア最終予選を兼ねたAFC U-23選手権では、グループリーグから5戦全勝で決勝進出。決勝の韓国戦で2点ビハインドから、交代カード・浅野拓磨の投入が当たって3対2の逆転勝ちを収めた。しかし、五輪本大会では、オーバーエイジ枠で招集した塩谷司と藤春廣輝が力を発揮できずに初戦のナイジェリア戦で5失点、続くコロンビア戦でも2失点と守備が崩壊。予選では手腕を発揮した手倉森監督だったが、本大会では“見極め”に失敗し、悔し涙を流す結果となった。

 2020年に迎えるはずだった東京五輪は延期となったが、地元開催で予選が免除されていることもあり、チームとしては“かつてないほど”未知数である。そんな中、本大会で結果を残せるのは誰なのか。過去の例から見ても、世界を相手にも物怖じしない、ラッキボーイの出現が必要になるだろう。