また、西田医師によると、変わった様子があるなど気になることがあるたびに、かかりつけ医や訪問看護師にこまごまと相談することが大切とのことです。

 例えば「食べる量が減ってきた」「反応が鈍くなってきた」「尿の量が減ってきた」「寝ている時間が増えた」「うわごとを言う」など、訪問時はもちろん、気になったときに電話します。

 「息が苦しそう」「息をしていない」「呼びかけても反応がない」「意識がない」というとき、さらには「血を吐いた」というときにも、「とにかく、何でもかかりつけ医に連絡してほしい」(西田医師)。

 早い段階から何かあればかかりつけ医・訪問看護師に電話するという意識付け・習慣化をすることが、静かな看取りにつながるのかもしれません。訪問介護員や施設の介護職員などが慌てて119番通報するケースもあり、介護関係者も同様といえるでしょう。

 看取りは、本人、家族、医療職、介護職など関係者の共同の取り組みであり、本人や家族にとって、看取りへ向けて伴走してくれるかかりつけ医や訪問看護師を確保することが何より大切といえそうです。(文・山本七枝子)

≪取材協力≫
西田伸一 医師。東京都調布市の在宅療養支援診療所、西田医院院長。東京都医師会理事。第33期東京消防庁救急業務懇話会専門部会委員。