「YouTubeなどの動画をみて英語の表現を学んでいる」と山下さんは語る(※写真はイメージです/gettyimages)
「YouTubeなどの動画をみて英語の表現を学んでいる」と山下さんは語る(※写真はイメージです/gettyimages)

 海外ドラマ出演に海外の雑誌撮影、インスタグラムでは世界中の400万人以上のフォロワーとつながる山下智久さん。日常的に英語を使うなかで、「山下智久の英語」はいかに進化したのか。「AERA English 2020 Spring & Summer」(朝日新聞出版)のインタビューから一部を抜粋して紹介する。

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 新しい挑戦は、コツコツ学び続けた英語が連れてきてくれた──山下智久さんはそう感じている。世界23の国と地域で放送予定のドラマ「THE HEAD」への出演は大きな挑戦だった。主要キャストの一人として、びっしり3カ月間、スペインとアイスランドでの撮影に臨んだ。通訳もなく、マネジャーもつけず、現場に日本人は山下さんだけ。セリフは当然、全編英語だ。

「最初はキツかったです。キャストは世界中から集まっていましたが、英語を使い慣れている人がほとんど。セリフを覚えるにも、ぼくだけ3倍の時間がかかったと思います」

 単純にセリフを暗記するだけならそこまで時間はかからないが、感情をのせて演じるとなると話は別だ。イントネーションの微妙な違いが、ネイティブにとって違和感のある演技になってしまうこともある。

「英語のニュアンスと表情と、声のトーンを一致させることが思った以上に難しかったですね。それに、海外ドラマは表現の大きさも求められるので、かなり練習しました」

 それでも英語のセリフと格闘するうちに、覚えるスピードがあvがり、言葉が自然に口をついて出るように。

「英語も筋肉と同じで、使えば使うほど強くなるし、発達するんですよね。しばらくすると、英語のセリフも自分の言葉としてスムーズに消化できるようになりました」

 当然ながら、オフもすべて英語だ。世界各国から集まるキャストやスタッフと英語でコミュニケーションを取り続けるなかで、いつしか山下さんは、自分の性格が変化してきたように感じ始めたという。

「2カ国語以上使う人は、話す言語によって性格が変わるという研究結果があるそうなんです。確かにそうかもしれないと思いました」

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