「イナバウアー」は荒川静香から羽生結弦へ… 受け継がれるフィギュアの“美しき技” (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)
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「イナバウアー」は荒川静香から羽生結弦へ… 受け継がれるフィギュアの“美しき技”

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沢田聡子dot.
イナバウアーを披露する荒川静香 (c)朝日新聞社

イナバウアーを披露する荒川静香 (c)朝日新聞社

イナバウアーを披露する羽生結弦 (c)朝日新聞社

イナバウアーを披露する羽生結弦 (c)朝日新聞社

 パラベラ競技場の喝采は、背中を反らせて滑る荒川静香の耳にも届いていた。

【写真】美しい羽生結弦のイナバウアー

 2006年トリノ五輪で金メダリストとなった荒川がフリー『トゥーランドット』で見せたレイバック・イナバウアーには、フィギュアスケートの本質にかかわる大きな意味があった。五輪ではトリノ大会で初めて実施された新採点方式の下では、ほとんどの要素について点数を意識しながら滑らなければいけなくなった。しかし、荒川が自分の個性を見せる部分として強い意志を持って組み込んだのが、直接的には点数にならないレイバック・イナバウアーだったのだ。戦略的にトリノ五輪に臨んだクールビューティーがあえて見せた美しいレイバック・イナバウアーは、今も人々の記憶に深く刻まれている。

 今季フリー『Dancing On My Own』でも見せている宇野昌磨の得意技は、クリムキンイーグルだ。背中を氷近くまで倒した姿勢で滑り、宇野の重量感と伸びのあるスケーティングに凄みを添えるクリムキンイーグルは、試合で披露するたびに拍手が起こる。平昌五輪後のルール改正で30秒短くなったこともあってか、昨季のフリーには組み込まれなかった宇野の代名詞・クリムキンイーグルを、今季また堪能できることを嬉しく思っているファンも多いのではないだろうか。

 柔軟性や体幹の強さがあってこそできるクリムキンイーグルは、女子ではアレクサンドラ・トゥルソワ、エリザベータ・トゥクタミシェワも見せてくれる。昨年6月、トゥルソワを教えるエテリ・トゥトベリーゼコーチの下で宇野が練習をした際、トゥルソワは自らのインスタグラムに宇野と共にクリムキンイーグルを決める動画を投稿している。また、観客をあおりながら行うトゥクタミシェワのクリムキンイーグルは、強烈なインパクトを与える見せ場だ。
 
 羽生結弦が昨季から今季にかけて滑ったフリー『Origin』でも、レイバック・イナバウアー、ハイドロブレーディングという羽生ならではの美しい技が入り、観客を魅了してきた。片足の膝を曲げて体重をかけ、もう一方の足は伸ばして上体は前に傾けた状態で滑るハイドロブレーディングには、柔軟性が必要とされる。


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