せっかくの帰省で、ママ・パパもゆっくりしたいところですが、普段と違う環境ですから、実際のところはいつもより目が離せず余計に大変かもしれません。大人の人数が多いので分担はできますが、誰か他の大人が見ているはず、と思い込んでしまうと危険です。親が目を離すときは、他の大人に「トイレに行くから子どもを見ていてね」などと声をかけると良いのではないでしょうか。

 帰省で長く滞在する場合は、ずっと子どもから目を離さずにいるのも大変になってきます。可能であれば、階段やキッチンの入り口にはベビーガードをつけるなど、多少目を離しても安全が確保できるよう対策しておくとベストです。その上で、包丁などの刃物類や電気ケトル、暖房器具や調理器具など危険なものは子どもの手の届かない場所に片付けておくと良いでしょう。

 0歳の赤ちゃんも、件数こそ幼児より少ないですが注意が必要です。救急搬送されたケースの調査結果をまとめた消費者庁の資料では、初診時に生命の危険が切迫している重篤な状態だった割合が、1~6歳では0.13~0.19%だったのに対し0歳では0.56%で、死亡していた割合は1~6歳では0.00~0.03%だったのに対し0歳では0.2%と、いずれも高かったのです。0歳児では、事故が起こってしまった際に重篤な状態になりやすいと言えます。

 特に注意が必要なのは誤飲・誤嚥(ごえん)です。消費者庁の別の資料では、誤嚥・誤飲は重篤・死亡につながりやすいことが示されています。平成28年4月からの1年間で30の医療機関から寄せられた子どもの事故報告では、転落が1709件、誤飲・誤嚥が805件ですが、うち死亡例は転落が2件なのに対し、誤飲・誤嚥では10件もあったのです。

 ボタン電池や薬、たばこ、硬貨、洗剤・漂白剤、消毒液、殺虫剤、防虫剤、マグネットなどは手の届かない場所に片づけましょう。食べ物も、おなど弾力性があるものや、肺炎の原因にもなるナッツ類(特にピーナッツ、大豆)は避け、小さく切って与えましょう。

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大人用のベッドで事故やケガ、死亡事例も