「ドクターX」で“永ちゃん”を演じる宇崎竜童が、いい人すぎる (3/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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「ドクターX」で“永ちゃん”を演じる宇崎竜童が、いい人すぎる

連載「あの人ってば。」

矢部万紀子dot.
シブい!宇崎竜童 (C)朝日新聞社

シブい!宇崎竜童 (C)朝日新聞社

 ドラマの中で、内田有紀演じる麻酔科医が神原に「勇ちゃんって、今いくつ?」と尋ねていた。「69。でもセクシーでパワフル、それに生き様がカッコいいのよ」と答える岸辺さんは72歳。矢沢さんは70歳で、宇崎さんは73歳だ。

 2019年、矢沢さんの全国ツアーはかなり話題になっていた。実は宇崎さんも全国ツアーをしていたことを、今回初めて知った。宇崎さんの著書『俺たちゃとことん』を今も本棚にキープしているものとしては、実に面目ない。ちなみにこの本は『成りあがり』に遅れること3年、1981年刊だ。

 宇崎さんはその全国ツアー「ロックンロールハート2019」の終盤、インタビューを受けていた。46年活動しているので「ダウンタウンブギウギバンド」時代の歌も少しは歌うが、「さよならの向う側」を聴けるかなあと期待してもらっても裏切られる。そう言い切っていた。「さよならの向う側」は山口百恵さんの最後の曲。百恵さんの曲を書いている頃、「宇崎さんは、ロックンロールじゃないですね」と言われたと振り返りつつ、「俺のロックンロールのハートは転がり続けることなんです」と語っていた。ロック魂、健在なり。

 インタビュー中、突然「(今回のツアーでの)最高得点が68点なんです」と宇崎さん。誰が採点するのかと問われ、「阿木燿子です」と即答した。愛妻家魂、健在なり。

 また個人的思い出で恐縮だが、最後に宇崎さんのコンサートに行ったのは20年近く前だった。開演前、知り合いに挨拶をする阿木さんがすごく近くを通った。真っ白なワンピースを着て、驚くほどきれいだった。宇崎さんは、とんでもなく穏やかな新曲を歌った。一緒に行った友人に「イメージ違ったよー」と泣きついたら、一言、こう返ってきた。

「あんなきれいな奥さんいたら、ロックでもなくなるでしょ」

 きれいな奥さんを持ちながら、ロックの心を失わず、矢沢永ちゃんの役を熱演する。

 宇崎さんってば、本当にいい人だ。


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矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)1961年三重県生まれ、横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』、『美智子さまという奇跡』。

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