セブ島・親子留学で子どもが身につける 英語力だけでない「生きる力」とは (2/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

セブ島・親子留学で子どもが身につける 英語力だけでない「生きる力」とは

このエントリーをはてなブックマークに追加
井上綾子dot.
セブ島のインターナショナルスクールからの帰り道。筆者の息子とKyonの息子(撮影/井上綾子)

セブ島のインターナショナルスクールからの帰り道。筆者の息子とKyonの息子(撮影/井上綾子)

セブ島・イナワヤン地区に積み上げられたゴミの山(撮影/Kyon)

セブ島・イナワヤン地区に積み上げられたゴミの山(撮影/Kyon)

■英語、日本語、中国語を話す5歳児を育てる家庭の教育方針とは

「すごい汗かいてどうしたの?」。Kyonの息子に話しかけてみると、「すべり台で〇〇くんと遊んでて、ぼく、いちばん早く上まで登った!」と、台湾暮らしが長いとは思えないくらい、流暢な5歳児らしい日本語が返ってきた。彼は、母親と話すときは日本語、学校にいるときや父親を交えて話をするときは英語、祖父母や台湾の友達と話すときは中国語(マンダリン)で話すそうだ。誰と話すかによって言語を自然と切り替えているのだという。

 例えば、インターナショナルスクールでは「誰にでもわかるように」と、日本人や台湾人が相手でも英語で話す。一方、学外ではフィリピン人には英語を使い、日本人である私にはいつも日本語で話しかけてきた。人に話しかけるときには、その人と以前に会話したときに使用した言語を選んだり、話す相手や状況を観察したりして、どの言語が最適かを瞬時に判断しているようだ。そんな彼が最も得意な言語は中国語なのだという。

 子育てでは、「夫婦それぞれの出身国のカラーを押しつけないよう意識している」と、Kyonは言う。

「日本や台湾の常識がグローバルスタンダードではないので、特定の考え方で物事を判断しないように、また人との違いを受け入れられる子どもに育てられるように意識しています。世界の人々は文化、習慣、宗教、言語など、みんな違うということは息子にも伝えています。息子なりにその都度状況を理解し判断しているようで、例えば日本に一時帰国中に通う保育園では、床に座るときは正座をしますが、台湾やセブのインターナショナルスクールではあぐらを選びます」

 彼女の息子は台湾、日本、セブでの生活を体験しているので、国による習慣の違いに出くわす機会は多い。特定の考え方で物事を判断しないことは、状況に合わせるうえで必要なことなのだろう。

セブ島で過ごして見えた、息子の変化

 セブ市内はフィリピンのなかでも近年開発が進んでいるが、それでも日本とは環境が違う。信号や交通網の整備が進んでいないので朝夕の通勤通学時の渋滞はひどく、ローカルエリアの交差点では人が立って交通整理をしている。雨が降ると排水が追いつかず、大雨になると道全体が川になり一時的に移動ができなくなる。道路脇で暮らす家族もおり、下着や靴さえ身につけていない子どももいる。「そうした環境だからこそ得るものがある」と、Kyonは言う。


トップにもどる dot.オリジナル記事一覧

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい