来シーズンはF1開始から70周年の節目となる。1950年から2020年の時を経て、2021年には大幅にレギュレーションが変わり、今の姿のマシンは見納めとなる。

 ホンダとレッドブル陣営は2021年までのPU供給契約を発表し、今のF1と新しいF1をともにすることとなった。また、トロロッソは来シーズンから『アルファタウリ』に名称を変更し、気分を一新して臨むことなる。

 今シーズンのノウハウとデータを十分に活かし、さらに根を強く張り、幹を太らせ、枝を伸ばし、葉を茂らせたマシンを作ること。これは至上命題だ。冬の間に深い年輪を刻み、『速くて強いマシン』に進化できるのか。メルセデスと真っ向勝負を全戦で挑むことができるのか。来シーズンの開幕まで約100日、2400時間。時間は限られている。だが、それはどの陣営も同じだ。繰り返しになるが、F1にオフシーズンはない。

 今まさに、2020年シーズン開幕戦・オーストラリアGPに向けて、マシン開発のレースは行われている。各コンストラクター、各PUメーカーが血眼になって戦っている。レッドブル・ホンダと新生アルファタウリ・ホンダはどんなマシンを持ち込んで、どれだけの速さと強さを見せつけてくれるのか。日本、イギリス、イタリア、オーストリアのファクトリーは休むことなく、レースを続けている。(文・野村和司)