『ひざ・腰・肩の痛みがとれる! 関トレ ビジュアル版』より
『ひざ・腰・肩の痛みがとれる! 関トレ ビジュアル版』より

『ひざ・腰・肩の痛みがとれる! 関トレ ビジュアル版』より
『ひざ・腰・肩の痛みがとれる! 関トレ ビジュアル版』より

 加齢とともに関節の悩みは増える。しかし、筋トレを試してみたものの、あまり効果を感じられないという声も多い。『ひざ・腰・肩の痛みがとれる! 関トレ ビジュアル版』の著者であり、理学療法士の笹川大瑛氏によると、関節のトラブルには、筋トレとは違う、ふだん働かない筋肉=サボリ筋を鍛えることが大切だと指摘する。サボリ筋とは何か、どんなトレーニングが効果的なのか、同書より一部紹介する。

【サボり筋がわかる3つの歩き方はこちら】

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■あなたの「サボリ筋」はここだ!

 私がサボリ筋の存在に注目したのは、理学療法士として高齢者のリハビリに携わっていたときです。

 80代や90代の人には、サボるどころか根本的に働いていない筋肉が存在することに気がつきました。筋肉は脳からの指令を受けて動くのですが、あまりに長くサボっていて指令が届かない筋肉があるのです。その筋肉とは何か、徹底的に調べました。

 やり方は、関節に作用している筋肉を一つ一つ動かすことです。Aという筋肉だけを1週間動かし、効果がなければ次はBという筋肉を1週間動かします。それを繰り返した結果、トラブルのある関節にはそれぞれ2つのサボリ筋があることがわかったのです。ひざにも2つ、腰にも2つ、肩甲骨にも2つ……。最終的に、6つの関節に作用する12の筋肉が重要であることがわかりました。

 これらは普段の筋トレで積極的に鍛えるような筋肉ではありませんが、関節を守る重要な筋肉です。

■寝たきりのおばあちゃんが翌日からスタスタ

 そのサボリ筋だけを集中的にトレーニングしたところ、股関節が動かせず寝たきりだったおばあちゃんが翌日にはスタスタ歩き始めました。衝撃でした。そして関トレの重要性を確信したのです。以来2000人を超える人が関トレで健全な動作を取り戻しています。

「私にはまだ関節の痛みなんてないわ」と思っている人もいるかもしれませんが、私に言わせれば、多くの人が関節痛予備軍です。サボリ筋を放置していることが、日常の動作の中に表れているからです。

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まずは体のクセを知ることが大事