ダイスケはん:僕らのバンドって、苦境に立たされたことが過去にも何回かあったんですけど、それが功を奏するかたちでやってきたところがあります。「拝啓VAP殿」というミュージックビデオでは首にコルセットをしたまま僕がドラムを叩いているんですよ。ヘルニアであることを逆手にとって、面白いことができました。ただ、ヘッドバンギング(首に大きな負荷がかかる動作)は絶対にしてはいけないといわれていたんですが、ライブではガンガンしていて。それが主治医の先生に伝わってしまい、手術前日にものすごく怒られました……。

――椎間板ヘルニアの原因はヘッドバンギングだったんですよね?

ダイスケはん:そうですね、過度な首ふりが主な原因です。X JAPANのYOSHIKIさんが同じ病気で。YOSHIKIさんが手術を公表したとき、「ヘッドバンギングはよくないよ」っておっしゃられていたんですよ。そのコメントを受けて、ライブで「YOSHIKIさんはヘッドバンギングはよくない、って言ってるけどそんなことはない!!」ってお客さんを煽っていたんです。ところが張本人になってしまったから、もう説得力がなくなってしまいました(笑)。

――頸椎損傷にならなくて本当によかったです。手術は無事成功されたのですか?

ダイスケはん:手術は成功しました。ただ、この病気は完治っていうものがなくて。僕の場合、ヘルニアになった椎間板を取り除いて、骨盤から移植した骨と人工物を挿入してボルトで固定しています。固定した上下の骨にこれまで以上に負担がかかるから、一生向き合わなくてはいけないんです。

――手術されてから半年で復帰、というのはすごく早いな、と感じました。

ダイスケはん:治療スケジュールで、半年後の検診で問題がなかったらライブ復帰してもいいよ、と医師が言ってくれていたんです。1年くらい様子をみたほうがいいという医師もいました。しかし、僕としてもなるべく早く復帰したいと思っていたので、半年後の検診を目標にリハビリを始めました。

 リハビリを始める前は、1週間に何回かでやってみよう、と思っていました。でも、いざ始めてみたら、何もできないことに驚愕して。からだが思うように動かないんです。僕の場合、日常生活をできるようにするのが1段階目のリハビリで、ライブパフォーマンスをできるようにするのが2段階目のリハビリでした。今後もライブを続けていきたいので、首に負担をかけないからだの使い方をマスターすることをゴールにしました。それを維持するため、今もからだづくりに取り組んでいます。

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メンタルを持続することが最初のリハビリでした