――リハビリでは具体的にどんな苦労がありましたか? また、そのとき心の支えになっていたことなどあれば教えてください。

ダイスケはん:リハビリ当初は動かしたいのに動かない、からだと心のバランスが崩れていきました。肉体よりも、メンタルを持続することが最初のリハビリでしたね。手術後は横歩きさえできなくて、ライブに向けたリハビリも年を越すまではできませんでした。ちょうど年越しのとき知人が温泉旅行に誘ってくれたんですが、それがすごく気持ちのリフレッシュになったと思います。毎日リハビリ施設と自宅の往復でしたから。

 年越してから、リハビリも2段階目にステップアップしました。ただ、今度は歌が歌えない。半年で復帰するプランを組んでいたので、自分のからだにむちを打って、さらにリハビリを強化しました。

 ちょうど首を痛める直前に、Mr.Childrenの桜井和寿さんとお話する機会があったんです。その時、「ダイスケくんは、この1本が最後になってもいいと思ってライブをやっているでしょ」と言われたんです。確かに手術前はそういう気持ちでやっていました。だけど櫻井さんは、「ファンの人はまずいてくれることが大事。心を込めることは一緒だけど、それをいかに長くみせられようにするか大切にしているんだよ」とおっしゃっていて。手術をしてから、その言葉がすごく響いて……リハビリ期間中も、支えになっていました。

――大きな病気で手術を経験して、健康や自分の人生に対しての意識変化などはありましたか?

ダイスケはん:なんとかリハビリが間に合って半年でライブ活動に復帰できたんですが、年越ししてからの3か月のリハビリは、正直思い出したくないくらいつらかったです(笑)。ただ、生きていく上で、音楽を続けていく上で、大きなターニングポイントになりました。今更論にはなってしまうんですが、自分の生活をすごく見直す機会になったというか。ステージに立ち続けることに焦点を当てるようになりましたね。さっきもお話した通り、以前は今日が最後の一日になってもいいくらいの気持ちでライブをしていました。でも今は、明日もまた生きたいと思える一日にしたいと思うので、何事にも心を込めて取り組みたいです。

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取材の依頼をいただけてすごく嬉しかった