代表的な存在が、亀井善行だろう。昨季自身9年ぶりに規定打席到達を果たした男は今季、序盤は主に5番打者、6月以降は1番打者として粘り強さと勝負強さを発揮し、特に7月は月間打率.404と大暴れ。ここまで124試合に出場して打率.291、13本塁打、54打点の成績を残している。加入3年目の陽岱鋼も奮起した。6月に月間打率.375をマークし、ここまで102試合に出場して打率.290、4本塁打、21打点。故障で途中離脱はあったが、持ち前のスピード感あふれるプレーで攻守において存在感を見せた。

 そして若手だ。先発ではドラフト1位ルーキーの高橋優貴が5勝、2015年ドラ1位の4年目・桜井俊貴が8勝を挙げ、リリーフでは中川皓太が63試合に登板して4勝3敗15ホールド16セーブと大車輪の活躍を披露した。野手では大城卓三が一塁のレギュラー争いに名乗りを挙げ、若林晃弘が二塁の定位置確保をアピール。増田大輝は代走のスペシャリストとして存在感を見せている。

 こう見ると、補強組よりも元々チームにいた選手たちの頑張りの方が目立つ。競争心を煽り、彼らの奮起を促し、切磋琢磨した中で力を伸ばしたという意味では、大型補強は意味があったと言えるかも知れないが、「大型補強がなくても優勝できたのでは?」という疑問は頭を離れない。そう思わせることができた「補強以外」の選手たちの力こそが、5年ぶりのリーグ優勝への原動力となっている。