7ならべは、配られたカードの運も関係しますが、「ずっとハートの8を出さなければ、ハートのその後のカードをもっている人は出せない」など、いかに他のプレーヤーに意地悪をするかというゲームです。

 他にも「相手がパスしかできなくするようなカードを出していく」「手持ちにAやキングがある場合は、そのマークのカードをさっさと出す」というような基本的なことを教えると……ちゃんと自分でじっくり考えて、ベストなカードを出すようになったのです。私にも、「ママ、次に出すならこのカードがいいよね?」と相談してくるようになり、いつの間にかどんどん強くなっていました。

 ちなみに、このソフトはレベルの選択設定がありませんでした。私もやってみたら、ややレベル高めで、大人がちょうど勝てるくらい。おかげで最初の頃、息子はオセロで散々負けて、自信をなくしかけてしまったのです。そこで、きちんとレベル設定が(15段階くらい)選べるオセロアプリも買いました。

 その名も、「the オセロ」。ダウンロード式で400円でした)。それをレベル1から順番にやっていって、勝てるようになったら、レベルをあげていったのです。

 こうして、相手の強さを見える化して調節できるのも、ゲームならではでしょう。私だったら、息子に「ちょっと手加減して」と言われても、どこをどの程度手をぬけばいいのかわかりません。

 近年では、学校の授業でもタブレットを取り入れています。液晶を見ながら正しい答えを打ち込んでいくことを勉強と呼ぶならば、DSで一緒にボードゲームをしてあれこれ悩むのも、「ゲーム」ではなく「勉強」と呼んでもいいのではないか?と思います。

 まあ、勉強といわれるとちょっとお堅いイメージが浮かんでしまうので、もし「勉強しよう」と言ってゲーム機を渡されたら、なんとなくやる気をなくす気がしますけれども……。

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杉山奈津子

杉山奈津子

杉山奈津子(すぎやま・なつこ) 1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつによりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』『「うつ」と上手につきあう本 少しずつ、ゆっくりと元気になるヒント』など。ツイッターのアカウントは@suginat

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