日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを、2人の女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は「月経に対する理解の重要性」について、NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。
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先月末、滋賀県の県立高校で女子生徒が月経で水泳授業を見学する際に、なんと月経の日数を体育科の教員に口頭で告げるように指導していたという報道がありました。この高校を卒業した女性は「自分や友達は日数を教師に言うのが嫌で、無理してプールに入った。足に血を滴らせながら授業を受けていた子もいた」と話しました。
水圧によって月経血が基本的に水中に出ることはないため、基本的にはプールに入ることはできますが、月経痛や月経量には個人差が大きく、また水中では大丈夫でも、プールサイドで月経血が出てしまう可能性は十分あります。足に血を滴らせながら授業を受けていた子のことを思うと、いたたまれなくなります。
小学4年生の冬のある日。母から生理ナプキンとショーツを渡され、いつか必要になる日が来るからと告げられました。初潮がまだだった私は、生理のつらさを予想することなどもちろんできず、こんなものを毎月使わないといけないってどういうことなのと理解できていませんでした。
小学5年生の春頃でした。初潮を迎え、ショーツを汚してしまった私は、あのことか、と母に言われたことを思い出し、母に報告しました。すると、母はおめでたいと言って赤飯を準備するでありませんか。おめでたい、なんて言われても、私には何がおめでたいのかさっぱりわからず、むしろ毎月生理がやってくるのかと思うと、嫌で嫌で仕方なかったことを覚えています。
生理ってこんなもんだと思い込み、受け入れて毎月のように付き合うこと10年あまり。医学部に進学し、生理ってこんな仕組みだったのかと知ったのでした。
女性なら誰でも付き合っていかないといけない月経。今回は月経についてお話ししたいと思います。