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がん免疫療法が効くのはどんな患者? 治療効果を予測する方法を医師が解説

連載「現役皮膚科医がつづる “患者さんと一緒に考えたいこと、伝えたいこと”」

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大塚篤司dot.#ヘルス
大塚篤司/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員を経て2017年より京都大学医学部特定准教授。皮膚科専門医

大塚篤司/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員を経て2017年より京都大学医学部特定准教授。皮膚科専門医

オプジーボのしくみ

オプジーボのしくみ

 オプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤によるがん免疫療法は現在、がんの種類によりますが、20~60%の人に効果があると報告されています。では、どんな患者に効果があるのでしょうか? 京都大学医学部特定准教授で皮膚科医の大塚篤司医師が、効果予測因子のバイオマーカーについて解説します。


*  *  *
 万有引力の法則を発見したアイザック・ニュートンは、書簡の中で有名な言葉を残しています。

「私がかなたを見渡せたのだとしたら、それはひとえに巨人たちの肩の上に乗っていたからです。(If I have seen further it is by standing on the shoulders of giants.)」

「巨人たちの肩の上に乗る」とは偉大な先人たちの発見をもとに、新しい発見が生まれるという意味で使われます。

 大発見は多くの場合、一人の天才によって導かれるものではありません。「巨人の肩」が必要ですし、同じ時代を生きる優秀な科学者の協力も必要です。

 研究成果を論文にまとめ専門誌に発表するという作業はとても大切です。なぜなら、専門誌に掲載されるためには、専門家(同じ時代を生きる優秀な科学者)によるチェックを受け、内容として間違いがないか厳しい審査が必要だからです。

 インターネットが普及したいま、専門外の領域でも個人で自由に発表できるようになりました。

 私たち医療の専門家からみれば、間違いだらけの医療情報も多く見受けられます。

 改めて、専門誌に掲載された論文を情報源として判断する姿勢が必要となってきます。もうすこし欲を言えば、どのレベルの専門誌に掲載された論文かまで判断できるようになることが望ましいです(これについてはまた別の機会に詳しく解説します)。

 さて、今回はがん免疫療法について解説したいと思います。

 なぜ前置きの話をしたかというと、がん免疫療法に関してはネット上で多くの「ニセ医学」が掲載されているからです。

 残念ながら、がん免疫療法は現在のところ100%効果がある治療法ではありません。がんの種類によりますが20~60%の人に効果があると報告されています。

 例えば40%の人に効果が出るということは、10人のうち4人は効いて6人は効かないということです。

 ですので、「100%効果のあるがん免疫療法」と書かれていたら、それだけで「ニセ医学」と判断できます。


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