後を引き継いだ堀孝史ユース監督の下、チームは浮上の兆しを見せ、最終節で15位を確定させてギリギリでJ1残留したものの、本当に2度目のJ2降格が現実になっていてもおかしくなかった。

 この3つのパターンを見てみると「ダメ監督」の背景には、クラブ側の判断ミス、監督自身の経験不足、自らの戦術や選手起用に固執しすぎること、采配力のなさといった問題点が見えてくる。

 冒頭のクロップやグアルディオラのように、自分の理想とする選手を補強できるだけの財力や資金力に恵まれたクラブで働いているのならともかく、Jの指揮官は身の丈に合った選手補強やチームマネージメントが必要不可欠だ。「バルサ流」を掲げ、フアン・マヌエル・リージョ監督を招へいしながら結果が出ないことで早々と指揮官交代に踏み切った今季のヴィッセル神戸のように潤沢なマネーをドブに捨てている例もあるが、大半のクラブはそこまでの大判振る舞いはできない。それだけに、反町監督も言うように、より監督力が強く求められるのだ。

 財政面や戦力面、環境面の厳しさがあっても監督が優秀であれば、多少の困難は乗り切れる。やはり重要なのは、クラブのビジョンに合った指揮官を据えることだ。そこだけは肝に銘じておく必要があるだろう。