乱闘で大暴れもお咎めなしでヒーローに… なぜそんな結末に? (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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乱闘で大暴れもお咎めなしでヒーローに… なぜそんな結末に?

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久保田龍雄dot.
「あれれ?」の結末に終わったブーマー (c)朝日新聞社

「あれれ?」の結末に終わったブーマー (c)朝日新聞社

 乱闘で大暴れしたのに、なぜか退場を免れた選手が勝利のヒーローになる珍事が起きたのが、93年6月22日のロッテvs近鉄(山形)だった。

 1点を追うロッテは6回1死から3番・マックスが打席に入ったが、高村祐の内角球が右腕を直撃。5月12日に野茂英雄から左肘に死球を受けていたマックスは「今度は右肘だ!」とバットを投げ捨て、マウンドのほうに2、3歩向かいかけた。これを見た捕手・山下和彦が制止しようとマックスの体に触れたのを合図に、両軍ナインの乱闘が始まった。

 もっとも、マックスは比較的冷静を保っていた。ネクストサークルにいたホールが「仲間の分まで」とばかりにエキサイトした。山下をグラウンドに引き倒し、パンチを雨あられと浴びせた。一方的に暴行を受けた山下は、プロテクターの紐がちぎれ、見るも無惨な状態になった。

 責任審判の寺本勇一塁塁審は「喧嘩両成敗。早くジャッジをして、試合を再開するのが責任だった」として、乱闘のきっかけを作ったマックスと山下に退場を宣告した。手を出していないのに退場となった山下は殴られ損でお気の毒としか言いようがない。そして、思いきり暴れまくっていたホールは「(混乱の中で)暴れ回っているのは、見てられなかった」という納得しかねる理由でお咎めなし……。「ホールとマックスを間違えたのでは?」の声も出た。

 近鉄・鈴木啓示監督が「止めに入った山下の退場はおかしい」と抗議したが、受け入れられず、「マックスと山下なら、ウチのほうが痛いよ」とガッカリ。その予感は的中し、信頼厚い女房役を失った高村が7回に崩れ、試合は3対3で延長戦へ。そして10回、“問題児”のホールが、赤堀元之からレフトポール際に決勝ソロ。乱闘の主役がヒーローになるというまさかの結末にもかかわらず、本人は「今日みたいな日は、スカッと勝たないとね」と、自分が騒ぎをエスカレートさせたことなど、どこ吹く風のコメントだった。


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