同じ学年の西川潤(桐光学園高)も負けていない。来年入団するセレッソ大阪で特別指定選手となり、いち早くJリーグデビューを飾った彼は2002年2月生まれ。181cmの高さと速さを備えたレフティで、センターFWだけでなく、トップ下、ウイング、サイドハーフもこなす多様性を備えている。セレッソのミゲル・アンヘル・ロティーナ監督もその才能にベタ惚れで、「すぐに使いたい」と鼻息が荒い。とはいえ、クラブと学校、本人が話し合い「きちんと高校を卒業してほしい」という結論に至った結果、今年1年間は桐光学園、セレッソ、U−20代表を行き来することになった。

「自チーム(高校)ではキャプテンをやってますけど、セレッソでは一番下なので雑用をやることもあります。それぞれの環境で立場は変わるけど、自分をブラさずにやることをつねに意識してます。セレッソはトップとU−23があるので、4つのチームでサッカーをしている感覚。いろんなサッカーを経験できることは非常にポジティブかなと。U−20代表ではボールを奪う力、ゴールを決めきる力が求められるので、そこを大事にしていくことを心がけてます」

 西川は17歳とは思えないほどのハキハキとした受け答えを見せていた。その堂々たる口ぶりは高校時代の本田を彷彿させるものがある。もちろん本田ほどのビッグマウスではないが、自分をしっかり持っているという意味では評価できる。しかもイケメンでスター性は抜群だ。現在は足の違和感で別調整が続いているが、ポーランド入りしてからはきっと何らかの大仕事をしてくれるだろう。

 この2001年組に負けじと、1つ上の2000年生まれの面々も燃えている。なかでも、守備の要・瀬古歩夢(セレッソ大阪)、FWの宮代大聖(川崎)、中村敬斗(ガンバ大阪)らは注目すべきタレントと言っていい。

 瀬古は「近未来の日本のセンターバック」と早いうちから言われてきた逸材。今は欧州組の昌子源や冨安らがいるため、直近のA代表入りは難しいかもしれないが、抜群の身体能力と状況判断力、両足の正確なフィード力を備えたDFなのは間違いない。もう1つの魅力は「松田直樹の後継者」と言われるような破天荒な一面を持つことだ。2002年日韓ワールドカップで松田が「フラット3のラインを下げよう」と言い出したような大胆不敵なメンタリティがなければ世界の修羅場はくぐり抜けられない。その意味では、瀬古はそれだけ器の大きな選手になれる可能性があるということ。非常に楽しみだ。

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香川抜擢の名将が期待した新星