U-20ワールドカップで注目株筆頭の斉藤光毅 (c)朝日新聞社
U-20ワールドカップで注目株筆頭の斉藤光毅 (c)朝日新聞社

 5月23日から2019年U−20ワールドカップ(ポーランド)が開幕する。日本は自国開催だった79年大会を皮切りに、過去9回の出場を誇るが、最高成績は1999年ナイジェリア大会の準優勝。小野伸二、高原直泰、本山雅志、遠藤保仁が織りなす華麗なサッカーは観る者を大いに魅了した。

 小野や遠藤がこれをステップにA代表の主力へ成長していった通り、U−20ワールドカップがA代表入りの登竜門になっているのは間違いない。実際、中田英寿、中村俊輔、本田圭佑、香川真司ら歴代看板選手の大半がこの大会に参戦しているのを見れば、その重要性がよく分かるだろう。

 2年前の2017年韓国大会は、堂安律と冨安健洋らを擁してベスト16入りを果たしている。今回は16強超えを狙いたいところだが、「令和の怪物候補」と目される久保建英(FC東京)と安部裕葵(鹿島)の攻撃2枚看板が6月の南米選手権(ブラジル)参戦する公算が高いために招集見送りとなってしまった。それによる戦力ダウンは懸念されるが、今回のメンバーである2000年前後生まれの世代は将来性の高いタレントが少なくない。そこは期待していいだろう。

 その筆頭と言えるのが、久保と同じ2001年生まれの斉藤光毅(横浜FC)だ。ポーランド大会の最終予選に当たる2018年10月のAFC・U−19選手権(インドネシア)で3得点を叩き出した170cmの小柄なドリブラーは昨年から横浜FCのトップチームに帯同。今季はJ2で11試合出場2得点と目に見える結果を残している。4月7日のアビスパ福岡戦ではカズ(三浦知良)とともに先発出場し、「35歳差スタメン」として大きな話題にもなった。

 斉藤は「カズさんは偉大な人なので、行動や言動の1つ1つを吸収して自分のいいところにできたらすごくいい。いろいろアドバイスももらっているので、全てが刺激になっています」と“カズ効果”を感じながら日々成長している。同じく同僚のブラジル人MFレアンドロ・ドミンゲスも「若い頃のネイマールに似ている。近い将来、欧州へ行くことになる」と太鼓判を押すほど、高い潜在能力を秘めているのだ。

「(ドミンゲスに)褒められることは素直に嬉しいです。でもそう言われているだけじゃダメ。自分がボールを持って仕掛けることができるかどうかが大事。相手がデカい方がやりやすいので、今大会はやりがいがあります」と不敵な笑みをのぞかせるカワイイ系の若武者が華々しい国際デビューを飾ることは十分あり得る。もしかすると「斉藤光毅の大会」になる可能性すらあるのだ。

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久保、斉藤の同世代にはさらに有望株が