宮代は「かつての柳沢敦に似ている」と評される万能型FWだ。ボールを収めるのもシュートも巧みで、自らがお膳立てに回ることもできる。5月13日の流通経済大学との練習試合では左サイドのコーナーキックも蹴ったり、左MFに入ったりと、多彩さはナンバーワンと言っても過言ではない。影山雅永監督からの信頼も絶大で、FWの大黒柱と位置付けられている。川崎では小林悠やレアンドロ・ダミアン、知念慶といった分厚いFW陣に阻まれ、いまだJ1出場は叶っていないが、川崎というハイレベルな集団にいることで高い意識を持っているのは間違いない。今回、世界にその名を轟かせてくれるはずだ。

 そしてもう1人の中村も、かつて香川真司を若いころから重用したレヴィー・クルピ監督から「特別なゴールセンスを持ったFW」と高評価されていた点取り屋。17歳でガンバ大阪入りした2018年はJ1開幕から試合に出て、物怖じしないプレーを見せていた。だが、宮本恒靖監督に指揮官が代わってからは「走れないし、戦えないし、球際も行かないし、オフ・ザ・ボールの動きも足りない」とダメ出しを受け、課題克服に注力。ようやく今季のルヴァンカップでチャンスを与えられ、4試合で2ゴールをゲット。U−20ワールドカップの切り札へと浮上してきた。2年前のU−17ワールドカップ(インド)では4得点を挙げてエースに君臨した選手だけに、ゴールラッシュの期待は十分。本人も「自分のよさを出したい」と大いに意気込んでいる。彼もまたイケメン枠に名を連ねられる選手。スター候補生として飛躍を遂げてほしいものだ。

 日本サッカー界のライジングスターと言えば、どうしても久保に注目が集まりがちだが、Jリーグの試合に出始めている2000年代生まれの選手は日に日に増えている。海外に目を向ければ、レアル・マドリード下部組織在籍の15歳・中井卓大のような選手もいる。こうした面々が久保を一気に抜き去ることも考えられる。果たして誰が頭角を現すのか。まずはポーランドの大会に注目したい。(文・元川悦子)