激痛、止まない嘔吐、40度の高熱… 白血病治療の壮絶な現実をサバイバーが告白 (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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激痛、止まない嘔吐、40度の高熱… 白血病治療の壮絶な現実をサバイバーが告白

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がんばれ!池江選手 (c)朝日新聞社

がんばれ!池江選手 (c)朝日新聞社

 競泳の池江璃花子選手が告白した白血病。現在、入院治療を続けているが、自身のツイッターで、「思ってたより、数十倍、数百倍、数千倍 しんどいです。 三日間以上ご飯も食べれてない日が続いてます」(3月6日)と、治療のつらさを吐露している。大量の抗がん剤の副作用による吐き気、脱毛など、白血病の治療は肉体的にも精神的にもつらい日々が長期間にわたって続く。2006年に急性骨髄性白血病となり、骨髄移植の末生還した男性(当時37歳)が記した闘病記『無菌室ふたりぽっち』からわかる、壮絶な白血病治療の現実とは――。

■異常が見つかり即入院、壮絶な抗がん剤治療が始まった

 入院してすぐに骨髄穿刺(通称マルク)という検査をした。白血病患者には避けられない検査で、骨の中心部にある骨髄液を採取し、骨髄組織を調べるのだ。腰のあたりにある腸骨(胸骨の場合もあり)にキリのような太い注射針を刺し、骨の中から骨髄液を吸い出す。これがすこぶる痛いのだ。もちろん麻酔はするのだが、骨の内部にまでは麻酔は効かない。グリグリと骨に注射針が食い込んでくると、骨がきしみ鈍痛が走る。骨髄液を抜かれる瞬間は、「魂が吸い取られる」と表現する被験者も多いように、思わず声をあげたくなるような痛さだ。シーツを握りしめながら耐えるこのマルクを、以後何度も経験することになる。

 抗がん剤の副作用は、予想していたよりキツイものではなかった。一番懸念していた口内炎はまったくできなかった。ひどい人になると口の中いっぱいにぶつぶつと口内炎ができて、水を飲むのにも七転八倒の苦しみを味わうこともあるようで、それだけは嫌だなと心配していた。髪の毛は、投薬3週間目から抜け始めた。前もって入院前に坊主頭にしていたのだが、朝起きるたびに、枕元に短い髪の毛がゴッソリ落ちているのを見るのはやっぱり気が滅入る。脱毛は男の僕でも精神的なダメージを受けたから、女性だったら相当にショックなことだろうと思う。

 最初の寛解導入療法から数えて4回目の抗がん剤治療である。要領はもう心得たものだ。といっても、まず最初の1週間は、抗がん剤の副作用で吐き気に苦しめられる。実際に嘔吐するほどではないが、一日中船酔いをしているような不快な胸のむかつきが続く。気持ち悪くて食事は取ることができないので、ゼリー飲料やカロリー点滴などで栄養を補給することになる。それでも医師に言わせると、夏目雅子さんが白血病と闘った時代に比べると、格段にいい制吐剤が開発され、吐き気の副作用は大幅に緩和されたという。

 抗がん剤治療の中盤、白血球の減少期にはだいたい40度近い高熱が出る。歯がガクガク鳴るような強烈な寒気と発汗の繰り返しが、2晩くらい続く。熱が上がると額やわきの下、足の付け根にアイスノンを張り付け、寒気がやってくると電気毛布を頭からかぶった。発熱の原因はよくわからない場合が多いのだが、怖いのは、肺炎や血液の中に細菌が入り込む敗血症だ。免疫作用が弱まった治療中の体には、これが致命的なことになってしまう。高齢者の白血病患者の死因に、肺炎や敗血症が多いのはこのためである。


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