アーモンドアイとルメール騎手 (c)朝日新聞社
アーモンドアイとルメール騎手 (c)朝日新聞社

 現地30日に行われる中東での競馬の祭典、ドバイワールドカップデー。今年は日本から10頭が参戦するが、やはり最注目は現時点で日本の最強馬と言っても過言ではないアーモンドアイが出走するG1ドバイターフ(芝1800m)だろう。

 アーモンドアイは昨年、桜花賞とオークス、さらに秋華賞を制して牝馬三冠を達成すると、牡馬や古馬が相手のジャパンカップを2分20秒6という芝2400mの世界レコードで快勝した。

 その実績は世界の競馬メディアからも注目を集めている。英国の『Racing Post』や米国の『Blood Horse』などが調教の様子や主戦のクリストフ・ルメール騎手の談話などを掲載。秋には凱旋門賞に挑戦する意向であることも報じられており、早くも前人未到の凱旋門賞3連覇を目指している英国の女傑エネイブルとの対戦に言及するメディアまである。

 それは数字にも反映されており、オフィシャルレーティングでは出走予定馬14頭のうち、アーモンドアイはトップの124。2位ドリームキャッスルが117だから、文字どおりぶっちぎりの高評価だ。前売りオッズでも、英国のブックメーカー『ラドブロークス』ではアーモンドアイが2.25倍の1番人気(現地25日時点、以下同)。2番人気のドリームキャッスルは4.33倍、3番人気のウートンが10倍なので、やはり頭ひとつ抜けている。間違いなく今年のドバイターフで主役を務めるのはアーモンドアイだと、世界が認めているのだ。

 ただしアーモンドアイにも、今回が初の海外遠征であること、ジャパンカップ以来で約4か月ぶりのレースとなることなど、重箱の隅をつつけば死角はゼロではない。ではライバル足り得るのはどの馬だろうか。

 まず触れておきたいのは、アーモンドアイと共に日本から遠征する2頭の牝馬たち、ヴィブロスとディアドラだ。アーモンドアイより2歳年長の6歳馬ヴィブロスは、一昨年のドバイターフの勝ち馬。昨年の同レースでも2着と好走し、昨年12月には香港へ遠征してG1香港マイル(芝1600m)でも2着に入った。海外遠征の経験やメイダン競馬場への適性ではアーモンドアイの上を行っている。

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海外勢で最も脅威なのは…