5歳馬のディアドラも昨年のドバイターフに挑戦して3着と善戦。暮れの香港カップ(芝2000m)でも2着したように、こちらも海外経験は豊富だ。さらに前記2頭と違って2月末にG2中山記念(芝1800m)を叩いている(結果は6着)アドバンテージがある。終わってみれば、アーモンドアイの最大のライバルは同じ日本馬たちだったという可能性はゼロではない。

 海外勢で最も強敵になりそうなのは、ゴドルフィン軍団の5歳馬ドリームキャッスルか。3歳時は主に英国で走り、英2000ギニーでの5着が目立つ程度。4歳となった昨年は1月からドバイで4戦するも結果が思わしくなく、ドバイWCデーに参加することなく去勢することになった。ところがこれが奏功したか、今年はドバイで重賞を3連勝中。今月9日のジェベルハッタ(芝1800m)でG1初制覇を果たしたように、勢いは一番と言っていい。鞍上が日本の競馬をよく知るクリストフ・スミヨン騎手というのも不気味だ。

 デビュー4連勝で昨年の英G1セントジェームズパレスステークス(芝1600m)を制した英国のウィズアウトパロールも実力的には上位。ただし4連勝後は古馬混合のG1で7着、6着、6着と苦戦しており、エネイブルでもおなじみな名伯楽のジョン・ゴスデン調教師と名騎手ランフランコ・デットーリのコンビがどこまで立て直しているかがカギになるだろう。

 実績では劣るものの、目下の調子ではエイダン・オブライエン厩舎が送り込む4歳馬アイキャンフライも侮れない。重賞勝ちは英マイルG2を1勝しただけだが、今月6日のオールウェザー1400mの前哨戦では格下相手だったとはいえ8馬身差の圧勝。ライアン・ムーア騎手の手綱で本番でも一発を狙っている。

 そのほか、ジェベルハッタでは同厩馬ドリームキャッスルの2着だったウートンや、昨年末の香港マイルでヴィブロスに続く3着に入り、今年は香港のG1で3着、2着と好走しているサザンレジェンドも無視はできない相手だ。

 ドバイターフはここ5年で日本馬が3勝(2014年のジャスタウェイ、2016年のリアルスティール、2017年のヴィブロス)と、日本勢にとっては好相性のレース。アーモンドアイたちにも大きな期待がかかる。注目のレース発走は、日本時間で3月31日の午前0時20分の予定。吉報が届くことを祈ろう。(文・杉山貴宏)