息子が通うCambridge Child Development Centreの園舎。教室や多目的ホールなどの設備がそろう(写真/筆者提供)
息子が通うCambridge Child Development Centreの園舎。教室や多目的ホールなどの設備がそろう(写真/筆者提供)
ゲートを入った敷地の奥に幼稚園(Kinder class)の校舎がある(写真/筆者提供)
ゲートを入った敷地の奥に幼稚園(Kinder class)の校舎がある(写真/筆者提供)
インターナショナル幼稚園に通う息子。今は親の私より流暢な英語を操る(写真/筆者提供)
インターナショナル幼稚園に通う息子。今は親の私より流暢な英語を操る(写真/筆者提供)

 わが子が英語を話せたら――。そう考える親は多いだろう。2020年度以降、小学校3年生から英語が必修化され、いよいよ意識せずにはいられなくなった子どもの英語教育お金をかけず、短期間に英語を身につけるには、思い切って「海外に母子で留学する」という選択肢もある。1年半前、夫を日本に残し子ども2人とフィリピン・セブに渡り、自ら「母子留学」を実践するライターが、子どもの英語力の伸びから、かかるお金の話まで解説する。

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 英語教室、オンライン英会話、高額な英語教材に英語学習用のYouTube番組。世の中には子ども向けの英語学習ツールがあふれている。こんな時代に、どんな英語教育を選択すればいいのだろうか。

 もし、「英語ペラペラ」に興味があるなら、フィリピン・セブ留学がおすすめだ。

 私は2017年7月、当時7歳の長女と3歳の長男を連れ、セブに移住した。2~3年後にはまた日本に戻るつもりだ。きっかけは、日本で受けたオンライン英会話のフィリピン人講師が子どもにぴったりはまったこと。親が英語を話せなくても、高額な教材を購入しなくても、親はただリラックスして子どもの英語の伸びを見守るだけでいい――。セブでなら、そんな環境で子育てができると確信し、日本で働く夫の理解を得て、期間限定の母子留学に踏み切った。

■英語大国フィリピンでの英語教育とは

 フィリピンは世界で4番目に英語を話す人が多い国、ともいわれるほど英語人口が多い。独自の言語を持ちながらも、小学校から英語で授業が行われるため、フィリピン人の英語力は高く、アメリカの大手銀行などがコールセンターを設けるほどだ。

 フィリピン第2の都市・セブには、四つのインターナショナルスクールがある。そこに、数こそ多くないが、日本人の子どもたちがいる。多くは母子留学の形態で、父親は日本で働いているというパターンが多い。インターナショナルスクールでは小学生から高校生までが学び、付属の幼稚園には1歳から入園できるというスクールもある。

 「海外生活なんて無理」というイメージを持つ人もいるかもしれない。大きな理由は「親の英語力」と「金銭面」の二つだろう。欧米諸国ならそれらは大きな壁になりうるが、フィリピンは少し事情が違う。

 まず、英語力について。私が子どもたちを通わせているインターナショナルスクールでは、お母さんたち自身も語学学校に通った経験のある人が多い。つまり、英語が十分に話せないまま子どもを伴って移住してきているのだ。それは日本人だけではなく、韓国人やロシア人の親子も同様だ。かくいう私自身も、日本でふつうの英語教育を受け、大学卒業後は英語に触れることもなかったため、特別に英語が堪能というわけではない。

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