ロッテの涌井秀章(c)朝日新聞社
ロッテの涌井秀章(c)朝日新聞社

 春季キャンプも終盤に差し掛かり、若手は1軍生き残りを目指して実戦でアピールしている。各球団の首脳陣はシーズンに向けて戦力構想を張り巡らせる中で、ある大物投手のトレード話が球界内でくすぶっているという。

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 在京の球団関係者は「ロッテの涌井秀章ですね。昨オフにある球団とトレード成立でまとまりかけたと聞きました。ロッテは右の長距離砲が補強ポイントです。セ・リーグの球団とトレードする可能性はあります」と語った。
 
 涌井は昨年チーム最多の150回2/3と規定投球回数に唯一到達した先発の柱だ。トレードで放出するとは考えにくいが、チームの戦力構想を考えると絶対にないとは言い切れない。昨季はリーグ5位の534得点。リーグトップの西武の792得点より250点以上も低く、得点力不足が深刻だった。日本ハムから16年に本塁打王を獲得したブランドン・レアードを獲得したが、外野は荻野貴司、角中勝也、加藤翔平、菅野剛士、ドラフト1位の高卒ルーキー・藤原恭大と左打者ばかりで強打の右打者が不足している。出血覚悟で涌井を放出し、外野を守れる右打者の獲得に動いても不思議ではない。

 絶対的エースという立ち位置にも疑問符が付く。昨季は4年連続開幕投手を務めたが7勝9敗、防御率3・70と2年連続で負け越し。勝負どころの8月に無期限の2軍調整を命じられ、1軍のマウンドから1か月も遠ざかった。

 オフには長年の夢だったメジャー挑戦を目指して海外フリーエージェント(FA)権を行使したが、メジャー移籍が実現しなかった経緯がある。
 今年の開幕について涌井は「競争になると思うけど、後輩たちには渡せないというのもある。それだけ開幕戦は得別な場所。経験してほしいのもあるけど、まだまだ自分が投げたい気持ちが強い」と契約更改の席で話していた。

 だが、その大役もかなわず。井口資仁監督は2月12日に名前は伏せたが「本人には伝えてあります」と明かしたことで、石川歩を初の開幕投手に指名したことが判明した。

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先発の座は安泰ではない!