増田は19歳、野村は18歳。野村はサードとセカンド、増田もサードとファーストで鍛えている。「内川と松田の2人が頑張っている間に1年でも早く……なんだよね」と小川2軍監督。内川と松田がバリバリ活躍しているうちに増田や野村を一本立ちさせたい。その“猶予”がどれだけ作れるのか。

 3年連続日本一、2年ぶりのリーグ制覇の最右翼という“王者の現状”には揺るぎない、豊富な投打の戦力ぶりを確信した宮崎キャンプでもあったが、その裏で主力陣の高齢化と、近未来の主砲候補の“育成遅れ”という不安点が見えてきたことに、少しだけ、不安を感じた。ただ、主力の健在ぶりを見ながら、若手不足を嘆くキャンプというのも、ソフトバンクだからこその“贅沢な悩み”でもあるだろう。(文・喜瀬雅則)

●プロフィール
喜瀬雅則
1967年、神戸生まれの神戸育ち。関西学院大卒。サンケイスポーツ~産経新聞で野球担当22年。その間、阪神、近鉄、オリックス中日、ソフトバンク、アマ野球の担当を歴任。産経夕刊の連載「独立リーグの現状」で2011年度ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。2016年1月、独立L高知のユニークな球団戦略を描いた初著書「牛を飼う球団」(小学館)出版。産経新聞社退社後の2017年8月からフリーのスポーツライターとして野球取材をメーンに活動中。