■中日


タイロン・ウッズ

 星野仙一、落合博満の名将のもとで毎年のように優勝争いを繰り広げ、平成時代に5度のリーグ優勝(星野1回、落合4回)を果たした中日。その中で多くの助っ人が勝利に貢献したが、「最強」という枕詞が最も似合うのはタイロン・ウッズ(在籍:05~08年)だろう。

 03年に横浜に入団して来日すると、2年連続で40本塁打を達成して2年連続の本塁打王に輝くと、05年に中日に入団。巨体を生かしたパワーあふれるスイングで、すぐさま4番として活躍。特に06年は打率.310、47本塁打、144打点で本塁打王と打点王の 2冠に輝き、リーグ優勝に大きく貢献。在籍4年間で計155本のアーチをぶっ放した。もちろん横浜のイメージもあるが、落合竜の黄金期を支えたという意味でも中日の平成最強助っ人として認識したい。

 その他、投手陣では韓国出身のリリーバーとしてセンセーショナルな活躍を見せた宣銅烈(在籍:96~99年)、89年に日本国籍を取得したため、今回の「平成の最強助っ人」からは外した郭源治(在籍:81年~96年)が活躍。野手では、外国人選手として史上初の3年連続首位打者に輝いたアロンゾ・パウエル(在籍:92~97年)が思い出される。

阪神
ランディ・メッセンジャー

 暗黒期突入とともに平成の時代を迎えた阪神だったが、03年、05年と2度のリーグ優勝を果たして以降は安定して上位争いに加わってきた。その戦いを力強く支えたのが、現在も投手の柱として在籍するメッセンジャー(10年~)だ。

 来日直後は中継ぎとして起用され、投球内容的にも苦しんだが、2年目の11年に12勝を挙げて欠かせない戦力になると、以降の8年間で7度の2ケタ勝利をマーク。14年には最多勝に加えて、リーグトップの226奪三振を記録。昨季までの9年間で通算95勝を挙げ、外国人史上5人目となる通算100勝も目前。そして通算1420奪三振はすでに外国人投手の最多記録となっている。彼の存在感、タフネスぶり、マウンド上での頼もしい姿は最強の名にふさわしい。

 虎党がすぐに思い出す“史上最強助っ人”ランディ・バースは昭和の人。平成ではメッセンジャーの他に、「JFK」の一角として2度の優勝に貢献したジェフ・ウィリアムス(03~09年)、2010年にシーズン200安打を達成したマット・マートン(在籍:10~15年)らがいるが、今年で在籍10年という勤続ぶりも評価してメッセンジャーを“最強”としたい。