最後に紹介するのは、オールブラックス史上最速の選手とも言われるリーコ・イオアネ(Rieko Ioane)。189センチ、103キロと日本代表フォワードの姫野和樹(トヨタ自動車ヴェルブリッツ、187センチ、108キロ)とほぼ同じサイズながら、ウイングのポジションでトライを量産している。17歳でオールブラックス・セブンズ(7人制ニュージーランド代表)に選ばれた若き才能は、2016年のリオデジャネイロオリンピックに出場。その年の11月にはオールブラックスデビューを果たしている。

『ニュージーランド・ヘラルド』紙の記事「リーコ・イオアネ、オールブラックス史上最速の選手に名乗り」によると、イオアネは測定で最高時速37キロを記録したという。これは、普通の人が自転車を頑張ってこいでようやく出せるくらいのスピードだ。ラグビー界では陸上短距離から転向したアメリカのセブンズ代表選手、カーリン・アイルズが世界トップクラスの俊足として広く知られているが、この記事によると、アイルズの最高速は非公式ながらセブンズの試合中に記録した時速36キロと、イオアネを下回る。やはり、これまでにオールブラックスで出場した24試合で22トライを奪うだけのことはあるスピードスターだ。

 リーコという名前は、元サモア代表の父、エディーさんがかつて日本のリコーでプレーしたことから。日本生まれの兄、アキラもオールブラックスやオールブラックス・セブンズに選ばれたことがある。日本にゆかりのある「世界最速選手」の健脚に、オールブラックスのワールドカップ3連覇がかかっている。