来季の外野陣はマレックス・スミス、ミッチ・ハニガー、ドミンゴ・サンタナ、ジェイ・ブルースで構成することになりそうだという。ブルースが一塁との兼用、サンタナはDHでも起用される可能性を考えれば、“イチローをロースターに含めるのは不可能ではない"というのが地元紙「シアトル・タイムズ」の見方。そんなシナリオを実際に可能にするには、イチローはキャンプ中から元気な姿を見せる必要があるのだろう。東京ドームでの2試合前後まで、首脳陣、ファン、同僚たちを納得させるような活躍ができれば……。

 ともあれ、この件がどんな結末を迎えるかを予想するのは難しい。今春のオープン戦を通じてイチローがどういった状態であれ、マリナーズは現役続行を望むフランチャイズの英雄を丁寧に取り扱うだろう。遅かれ早かれ難しい決断を迫られるとして、本人の意思を一方的に押し切るような終焉は考え難い。

「昨シーズン同様、マリナーズは、再び何らかの“出口戦略(exit plan)"を用意している可能性がある」

 シアトル・タイムズのライアン・ディヴィッシュ記者は、1月23日付けでそんな風に記していた。その推測が適切としても、具体的にはどんなプランなのかはもちろんわからない。様々な意味で、東京ドームで開催されるマリナーズ対アスレチックスの2試合は興味深いイベントになる。そこでは何が起こるのかはミステリー。1つだけ約束されているのは、スタジアムに足を運ぶファンの視線が背番号51の背中に注がれ続けるということだ。