乃木坂46の高山一実 (c)朝日新聞社
乃木坂46の高山一実 (c)朝日新聞社

■出版不況のなか軽々と10万部を突破

 乃木坂46の高山一実(24)のデビュー小説「トラペジウム」(KADOKAWA)が、13万部を超えるヒットとなっている。乃木坂46といえば、写真集を出せば最低5万部の発行は固いと言われ、エースの白石麻衣(26)の3rd写真集『パスポート』の累計売上は30万部以上を記録したほか、1月に発売された生田絵梨花(22)の2nd写真集『インターミッション』はなんと、初版発行部数で20万部を超えるなど、常に話題に事欠かない。

「乃木坂46も、欅坂46など系列グループのほうが話題を呼んでいて、グループとしての勢いは少し収まっているところです。卒業メンバーも増えて、今後の活動を視野に入れて個人として、しっかり名前を売る段階に来ている。写真集が爆発的に売れるメンバーもいますが、そうではない才能をしっかりと見せていって、今後の活動につなげたいという考えが運営側にもあるのだと思います」(芸能事務所関係者)
 
 出版不況の中で、10万部以上も発行された小説となれば、大御所作家と肩を並べる数字となる。文芸界隈での評判はどうだろうか?

「率直に言えば、小説としてめちゃくちゃクオリティーが高いというわけではありません。ただ、もともとグループの中でも、しゃべれる面白キャラとしての立ち位置だったので、そうした彼女の視点がうまく入っている作品になっていました。そもそも高山さんの小説を買う層としては、そこまで本読みを狙ってるわけではなく、ライトな読者層。そういう意味でうまくマッチングしたんじゃないでしょうか」(出版社の営業担当者)

 さて、この動きに次けとばかりに、元SKE48の松井玲奈(27)が初の単行本「カモフラージュ」(集英社)を4月5日に発売することを発表した。

「2018年に『小説すばる』(集英社)で発表された短編小説『拭(ぬぐ)っても、拭っても』をはじめ、同社ではその後もコンスタントに松井さんの小説を発表しており、本作はそれらをまとめたものです。すでに小説発表の時点で反響はありました。4月発売の書籍がこの段階で話題になるのも人気があるタレントならでは。鉄道やアニメなどに造詣が深い彼女だけに、ファンからの期待も高いのだと思いますよ」(同)

 多くのアイドルがグループ卒業後の仕事に苦戦している中で、AKB48卒業後も安定した人気を誇っている松井玲奈。出版社としても売り上げに期待がかかる。小説の売り上げが低迷する中で、わかりやすいファンが付いているアイドルの作品は、多少の文章力があれば積極的に手がけて行きたいところ、ということだろうか。

「高山さんの本はKADOKAWAから刊行されました。同社はこれ以前にもNEWSの加藤シゲアキ(31)の作品や、セクシータレント・紗倉まな(25)の小説を手がけ、いずれも売上・評価ともにかなり話題となっています。昔から尾崎豊の小説を出版していますし、ノウハウがあるのでしょう。さらに、角川書店時代に尾崎さんの小説を手がけ、その後、幻冬舎を立ち上げた見城徹社長(68)も自社でさだまさしさんの『精霊流し』をベストセラーにしました。幻冬舎でもタレント系の小説は多いですね」(同)


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文学賞を狙えるアイドルも将来的に出てくる!?