1月に入り、プロ野球界では新人選手の入寮、合同自主トレなどのニュースが盛んに報道される時期となった。しかし、大きな期待を受けて入団しても一軍のレギュラーを獲得できる選手はほんの一握りであり、3割が成功すれば当たりと言われる世界である。また、一度レギュラーをつかんでも成績を残し続けられずに淘汰される選手も少なくない。そこで今回は今シーズン活躍できなければ来シーズンの現役続行が難しいと見られる“崖っぷち”の選手を取り上げたいと思う。
FAで丸佳浩、炭谷銀仁朗を獲得するなど、このオフに積極的な補強を見せている巨人だが、過去数年間にFAで獲得しながら結果を残せていない選手も少なくない。その筆頭格と言えるのが大竹寛と森福允彦の二人だ。大竹は移籍1年目の2014年こそ9勝6敗とまずまずの成績を残したものの、翌年以降は低迷が続き、昨年は2試合の登板でわずか1勝に終わった。人的補償で広島に移籍した一岡竜司との比較でも、完全に立場が逆転していると言わざるを得ない状況だ。
左のセットアッパーとして期待された森福も1年目は30試合に登板したものの、2年目の昨年はわずか2試合の登板にとどまり、ほとんど戦力にはなっていない。大竹は今年で移籍6年目、森福は3年契約の最終年ということを考えると、今年も昨年と同じような成績であればオフに戦力外となる可能性は極めて高い。ともに若い頃とピッチングのイメージが変わらないだけに、復活のためには年齢に応じてのモデルチェンジが必要になってくるだろう。
昨年、NPBでは12年ぶりとなる勝利をマークするなど、カムバック賞を獲得した松坂大輔(中日)。その同学年である松坂世代もこのオフに多くの選手が引退したが、今年も実績のある選手が瀬戸際に立たされている。その代表格が和田毅(ソフトバンク)だ。メジャーから復帰した2016年に15勝をマークして最多勝を獲得し、その健在ぶりを見せつけたが、2017年は左肘手術で長期離脱し、わずか4勝。昨年はキャンプ中に左肩痛を発症して一軍の登板は0に終わり、オフには年俸4億円から1億円への大幅ダウンとなった(金額は推定)。
和田は功労者だが、ソフトバンクはこのオフに摂津正(引退)、五十嵐亮太、寺原隼人(ともにヤクルトへ移籍)など実績のある投手を戦力外としているだけに、和田の地位も安泰とは言えないだろう。また、2008年に最高勝率、2009年に最多勝を獲得している館山昌平(ヤクルト)、球団歴代最多記録となる通算165セーブをマークしている永川勝浩(広島)なども昨年と引き続いて厳しいシーズンとなりそうだ。