戸田恵梨香 (c)朝日新聞社
戸田恵梨香 (c)朝日新聞社

■地味なストーリーだから戸田で保険をかけた!?

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 2019年の後期に放送される朝のNHK連続テレビ小説「スカーレット」に戸田恵梨香(30)が主演することが12月3日に発表された。

 「朝ドラ」といえばオーディションでヒロインが決まり、新人女優の登竜門として長らく認知されてきたはずだが、現在オンエア中の「まんぷく」は安藤サクラ(32)が、次回作の「なつぞら」も広瀬すず(20)の主演が決定しており、今回の戸田も入れると、すでに映画や民放ドラマでも主演作を持つ実力派女優が三作連続でそろい踏みとなったのだ。

 60年近く続く歴史ある「朝ドラ」枠といえば、まだ手あかがついてない新人女優が半年間の活躍を経て巣立っていく姿が恒例だったはず。数々の国民的女優を生んできた由緒ある「朝ドラ」からすると、「3作連続、オーディションが行われていない」こと自体がある意味“異常事態“である。

 いったいNHKサイドに何が起こっているのか? 同局に近しい業界関係者はこう語る。

「ひとつめの理由として、今オンエア中の『まんぷく』の評価が非常に高く、視聴率も安定しているから。安藤サクラは『初のママさんヒロイン』としてもオンエア前から話題となり、続いて2019年前期の『なつぞら』はすでに国民的女優の風格すらある広瀬すずが主演します。この流れで、新人女優を主演に据えるのはなかなか勇気がいることだと思います。『スカーレット』は陶芸家を目指すヒロインの物語なので、ストーリーが地味になる可能性が高い。そのため、実績のある女優の知名度で保険をかけたかったという“フシ”はあると思いますね。ちなみに、朝ドラのヒロインオーディションが行われず、NHKから直接ヒロインのオファーを受けたのは2006年前期の『純情きらり』に主演した宮崎あおい(33)が最初だと言われています。2010年に入ってからも松下奈緒(33)、井上真央(31)、堀北真希(30)、杏(32)、有村架純(25)が、それまでの実績を前提として、オーディションなしで、ヒロインにキャスティングされています」

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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NHK、バラエティーも変革迫られ“民放化“