【SB】


1位:佐々木翔(サンフレッチェ広島)

 広島の前半戦の躍進を力強く牽引し、チームの成績が落ちた後半戦も安定したパフォーマンスで支えた。全体をコンパクトにして組織的にプレスをかける広島の守備では、サイドバックにセンターバック並の守備力が求められるが、まさしく守備の要としてサイドラインのカバーリングはもちろん、逆サイドから展開された仕掛けにも柔軟に対応した。また、176cmのサイズながら空中戦も強い。アシストは1つだったが、3得点を決めてチームの勝利に大きく貢献している。第25節の鹿島戦でこぼれ球を押し込んで決めた逆転ゴールは貴重な一発で、その後は未勝利ながら2位に踏みとどまれたのはあのゴールがあったからとも言える。

2位:山中亮輔(横浜F・マリノス)

 最後はギリギリ残留という結果になったが、サイドバックで4得点8アシストは高評価に値する。大きな変化を遂げた横浜FMの攻撃スタイルにあって、“偽サイドバック”とも呼ばれるインサイド寄りのポジショニングをベースにした組み立てからチャンスメークに関わり、逆サイドに起点ができればバイタルエリアのスペースに顔を出して、左足で強烈なミドルシュートを決めた。攻撃が大きくクローズアップされる一方で、守備ではインターセプトも多く、前がかりのチームを支えた。日本代表ではデビュー戦の立ち上がりにゴールを決めて注目された。負傷によりリーグ戦ラスト2試合を欠場したことは残念だった。

3位:室屋成(FC東京)

 堅守速攻をベースにした長谷川健太監督が頼りにする選手の一人で、右サイドでアップダウンを繰り返してチームを支えた。守っては室屋のサイドからチャンスを作らせず、センターバックのサポートでも貢献。昨シーズンまでは左サイドバックとのバランスを取る形が多く、守備的なイメージが強かったが、今シーズンは右サイドに蓋をしながら機を見て積極的に攻め上がり、大外からのオーバーラップはもちろん、インナーラップの攻め上がりも見られるようになった。第7節の鹿島戦で記録したドリブルからの逆転ゴールは前半戦のハイライトの1つだ。3アシストを記録し、課題だったクロスの効果も高めている。

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全試合フル出場で守備を支えたイケメンDFが高評価