FA宣言した広島・丸 (c)朝日新聞社
FA宣言した広島・丸 (c)朝日新聞社

 今月13日、プロ野球のフリーエージェント(以下FA)権行使の申請期間が終了し、浅村栄斗、炭谷銀仁朗、中村剛也、(いずれも西武)、西勇輝(オリックス)、丸佳浩(広島)の5人が権利を行使すると発表された。

 このうち中村はチーム残留を表明しており、実質は4人が15日から他球団との交渉を開始することとなった。いずれもチームの中心選手ということもあって「巨人が丸に史上最高5年30億超、炭谷3年6億用意(11月15日:日刊スポーツ)」、「楽天、浅村サイドと即接触!平石監督も出馬へ、4年総額20億円用意(11月16日:サンケイスポーツ)」、「【ソフトバンク】西勇輝獲得に4年16億円超用意!速攻成功(11月16日:スポーツ報知)」と連日大型契約を提示という報道が飛び交っている。

 そこで今回は過去にこのような大型契約を結んだ選手の成績がその後どう推移したのか、大型契約に見合うだけの価値があったのかを検証しながら、今年のFA選手の今後も占ってみたいと思う。

 過去の主な大型契約と、その期間の成績をまとめてみると下記のようになった(所属は当時。推定年俸は11月15日付日刊スポーツ掲載)。

■投手
・佐々木主浩(横浜)
2004~2005年(2年間) 総額13億円
期間通算:34試合 1勝5敗23セーブ0ホールド 防御率4.40
1年平均:17試合 1勝3敗12セーブ0ホールド
年齢:36~37歳

・三浦大輔(横浜)
2003~2008年(6年間) 総額16億円
期間通算:144試合 49勝57敗0セーブ0ホールド 防御率3.37
1年平均:24試合 8勝10敗0セーブ0ホールド
年齢:30~35歳

・杉内俊哉(巨人)
2012~2015年(4年間) 総額20億円
期間通算:91試合 39勝22敗0セーブ0ホールド 防御率3.03
1年平均:23試合 10勝6敗0セーブ0ホールド
年齢:32~35歳

・内海哲也(巨人)
2013~2016年(4年間) 総額16億円
期間通算:70試合 31勝22敗0セーブ0ホールド 防御率3.51
1年平均:18試合 8勝6敗0セーブ0ホールド
年齢:31~34歳

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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