エンゼルスの大谷翔平(写真:getty Images)
エンゼルスの大谷翔平(写真:getty Images)

 4年ぶりに開催された日米野球を最後に、今年の野球シーズンも終了。その日米野球の間にはメジャーリーグの新人王が発表され、ア・リーグではエンゼルスの大谷翔平が日本人選手として史上4人目の栄誉に輝いた。ここでは大谷をはじめ、今年メジャーでプレーした日本人選手を独断で査定する。名付けて「MLB日本人選手の通信簿」。

【写真】イチローがもらえるMLBの年金額が凄い!満額支給の日本人選手は…

【大谷翔平=打者(エンゼルス)】 評価:A-
 
 かのベーブ・ルース以来、メジャーリーグでおよそ100年ぶりに登場した本格的な二刀流選手だけに、ここは投打に分けて見る必要がある。まずは先にメジャーデビューを果たした「打者」としての評価から。

 オープン戦では打率.125と苦しみ「高校生レベル」とも評された打者・大谷だったが、開幕を前に打撃フォームをすり足に変えたのが功を奏した。3月29日の開幕戦でメジャー初打席初安打を記録すると、4月3日には本拠地エンゼルスタジアムの初打席で初ホームラン。4月末までに打率.341、4本塁打、12打点という上々のスタートを切った。

 6月には右肘の内側側副靭帯損傷が判明し、自身の血小板を使って組織の修復などを図るPRP注射による治療を選択。1カ月近く故障者リスト入りしたが、復帰後は8、9月といずれも3割を超える月間打率をマークした。この2カ月でホームランも計13本と量産し、シーズン22本塁打はメジャー1年目の日本人選手としては最多記録となった。
 
 さらにOPS(出塁率と長打率を足した数値).925は今季のア・リーグで6位に相当する数字であり、打者としての成績は文句のつけようがない。二刀流を続ける上で仕方のないことではあるが、1カ月近く戦列を離れたこともあって規定打席に届かなかった点は-(マイナス)とした。

【大谷翔平=投手(エンゼルス)】 評価:C

 投手としても、オープン戦では2試合で2回2/3を投げて9失点(自責点8)だったが、こちらもレギュラーシーズンに入ると見事にアジャストしてみせた。4月1日のメジャー初登板は6回3失点で初勝利。続く8日は7回1死まで完全試合を続け、スプリットで三振の山を築くなど、7回無失点12奪三振の快投で開幕2連勝を飾った。

 5月20日には4勝目を挙げ、1918年のルース以来となる「2ケタ勝利&2ケタ本塁打」も期待されたが、前述のとおり6月に故障者リスト入り。その後、マウンドに上がったのは9月2日のアストロズ戦(3回途中2失点で敗戦投手)のみで、最終的には4勝2敗、防御率3.31という成績だった。

 先発10試合中、半数の5試合がクオリティースタート(先発して6回以上投げ、自責点3以下の試合)で、51回2/3を投げて与四球22、奪三振63と内容は良かった。ただし、ケガによる離脱が原因とはいえ、やはり数字的には物足りない。そのあたりを考慮してのC評価だが、打者+投手として総合的に考えるなら「A」になるだろう。

次のページ
イチロー、田中将大の査定は?