――戦場からの報道の必要性についてどう思いますか。安田さんにとって、使命であると思われるのですか。


 
使命というのは誰かから与えられるものであると。私自身が誰かから求められているとか、おこがましいことは思っていません。あくまで私自身が知りたいことや疑問に思っていることを現地で取材して、それを皆さんに知っていただきたいと思ってやっています。
 
必要性については、特に国家と国家が争う、武力を行使する場合、国家とは原則人の命を守る存在ですが、戦争は国家が人を殺す決定をするわけです。それがどのような影響を及ぼすのか、殺された人がなぜ殺されなければいけなかったのか、国家がそういった行動をすることについて我々国民はそれで良いと考えるのか判断する材料は絶対に必要だと思います。そのための判断材料は当事者である国家から提供されるものだけでなく、第三者から提供されるものがあるべきだと考えています。したがって、紛争地が非常に厳しい状況であっても現地の情報を取りに行く必要があると思っています。現地の人が流すものと外部の人間が見て流すものとは見方も変わります。
 
その国がそこで紛争を行っていなくても、そこから難民が出てくるなどして巡り巡って日本にも影響があるものです。直接何かを、軍隊を送ったりしているわけではなくても、地球上で紛争が起きている場所があれば見に行くということ、現地に行くジャーナリストは絶対に必要だと考えています。
 
――安田さんが注目を集める一方、シリアのことはあまり報道されません。
 
まず、私自身の行動によって日本政府や多くの皆様にご尽力いただいたので、私の行動がどうであったか検証されることは当然だと思っています。報道の注目が私自身に集まることは当然であると受け止めています。できれば、そこから更にそこで何が起きているのか、この先何をすべきなのかの関心を持ってもらいたい。私を捕まえた組織が何者なのかということも当然、自分自身でやることは難しいですが、そういったことも含めて関心を持ち続けていただきたいということはお願いとしてあります。
 

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