医師として女性として「緊急避妊薬」について考えること (3/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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医師として女性として「緊急避妊薬」について考えること

連載「ちょっとだけ医見手帖(山本佳奈医師)」

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山本佳奈dot.
◯山本佳奈(やまもと・かな) 1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー、CLIMアドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

◯山本佳奈(やまもと・かな) 1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー、CLIMアドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

日本は、避妊法の一つである緊急避妊薬にアクセスするハードルが高いと言わざるを得ない(※写真はイメージです)

日本は、避妊法の一つである緊急避妊薬にアクセスするハードルが高いと言わざるを得ない(※写真はイメージです)

 しかしながら、ノルレボ錠は、性交渉後72時間以内に一回1錠(1.5mg製剤)内服しなければなりません。先ほど例に挙げた女性のように、連休初日の夜中に避妊に失敗してしまった場合、連休中に処方してもらわないといけません。平日になって病院を受診してからでは遅いのです。休日も診療している病院にアクセスできればいいですが、今の日本は全ての女性が入手可能な環境ではありません。薬局で手に入らない今、こうした例を引き起こしてしまっているのです。

 二つ目の理由として、義務教育である中学校までの教育において、避妊やピル、アフターピルについて学ぶ性教育が不十分である点が挙げられるでしょう。私ごとですが、医学部に入り、緊急避妊薬のことを講義で学ぶまで、存在すら知りませんでした。もちろん、内服のタイムリミットがあることも。自分のカラダを守る手段として、もっと早く知っておきたかった、知っておくべきだったと思っています。

 性教育の不十分な現状や、処方箋がなければ手に入らないというアフターピルの入手のハードルがまだまだ高い現状では、緊急事態に対処できない事態が発生することは避けられません。

 日本でも、世界避妊デー(9月26日)に合わせて、緊急避妊薬のOTC化や入手アクセスの改善を求める署名キャンペーン「アフターピル(緊急避妊薬)を必要とするすべての女性に届けたい!」が立ち上がっています。「避妊を失敗したけれど、どうしたらいいか分からない」「仕事があって休めない」「土日・祝日で病院がやっていない」「学生には高額すぎて買えない」など、発起人であるNPO法人ピルコン理事長である染矢明日香さんのもとには、こうした相談がたくさん届いているといいます。

 ピルや避妊についての教育の充実や薬局でも購入可能にすることによって、緊急避妊薬までアクセスしやすい環境を整備することは、女性がカラダを守る上で重要なことだと思います。医療者として、自分のカラダを守る知識をお伝えし続けると同時に、一人の女性として、1日も早く緊急避妊薬までアクセスしやすい環境となることを願っています。

◯山本佳奈(やまもと・かな)
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー、CLIMアドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)


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山本佳奈

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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