また、一問一答にするべき箇所を考えること自体、要点を覚えることにつながります。出ないところを問題としてピックアップしても意味がないので、出題される箇所はどこか、出題されるとしたらどのような問われ方をするのか、自然とこれらを意識するようになるのです。

 暗記したい情報を一問一答に変換するときは、ちょっとしたコツがあります。

 まずは、いわゆる「5W1H」を意識するといいでしょう。「誰が(Who)、何を(What)、どこで(Where)、いつ(When)、なぜ(Why)、どのように(How)」という部分を意識することで、自然と要点を絞ることができます。

 また、文章の中で「この一カ所を変えても日本語の文章として通じる」という部分にも注目してください。変更しやすい部分が出題されるので、これまた一問一答にするべき対象になるのです。

 さらに記憶を強化するために、「一答一問」に挑戦してみましょう。一問一答の問題と解答を入れ替えて新しい問題をつくり、同じように問題を解くなかで暗記するのです。

 たとえば、先ほどの情報であれば次のようにします。

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・短答式試験と論文式試験といえば?
→公認会計士試験の2段階試験
・毎月5月と12月といえば?
→短答式試験が実施される時期
・短答式試験をパスした受験生といえば?
→論文式試験を受験することができる
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 この暗記法は、情報を双方向から覚えることにつながり、さまざまな問われ方に対応できるようになります。試験本番では、どのように問われるかはまったくわかりません。たとえ同じ知識でも、さまざまなパターンとして覚えておくことが賢明なのです。

 日頃から、この「一問一答暗記法」を頭のなかで行いましょう。テキストや参考書を読んでいるとき、頭のなかでパッと思いついた問いに自分で解答してください。そして、問いと解答を逆にして、また解きなおしてください。難しいと感じるかもしれませんが、慣れればさほど難しくありません。

 コツとしては、「AはBである」という情報なら、「A」を見て「Aはなんだっけ?」と思い出します。次に「B」を見て「Bを一言で表す言葉があったはず」とまた思い出します。

 このように、キーワードを見て、その内容を思い出すトレーニングをしていけば、おのずと「一問一答」になるのです。