“森保ジャパン”の初陣はどうなる? (c)朝日新聞社
“森保ジャパン”の初陣はどうなる? (c)朝日新聞社

 9月7日のチリ戦は北海道胆振地方中東部を震源地とした大地震の影響で中止となり、本日11日に大阪のパナソニックスタジアム吹田で行われるコスタリカ戦が“森保ジャパン”にとって事実上の初陣となる。今回はロシアW杯に出場した主力選手は招集されず、フレッシュな顔ぶれが並ぶ。

【初選出の堂安律選手の写真はこちら】

 その中でも中島翔哉、南野拓実、初選出の堂安律という前線の2列目から決定的なチャンスメークやフィニッシュに絡むアタッカーたちの競演は注目ポイントだ。彼らの中での競争はもちろんだが、ロシアW杯に出場したメンバーでも香川真司や乾貴士が主力を担ったポジション、役割の選手たち。そうした従来の主力戦力との見えない戦いもあるだけに、コスタリカ戦で新生日本代表の攻撃の中心を誰が担っていくのかを展望する機会になる。

 ただし、彼らは必ずしも1つのポジションを争うという構図ではなく、森保監督の採用するシステムや起用法によって2人、3人が並び立つ構図も可能だ。実際に7日のチリ戦の代わり行われた紅白戦ではキャプテンの青山敏弘がボランチに入ったレギュラー候補組と見られる4-4-2の右サイドに堂安、左に中島、2トップの一角に小林悠と並ぶ形で南野が入り、攻撃時は南野が小林と縦の関係を作る4-2-3-1のトップ下のようなポジションになり、堂安、中島と2列目を形成した。

 右サイドから左利きの堂安が、左から右利きの中島が中に流れて南野と近い距離感で絡み、アウトサイドからサイドバックの室屋成や車屋紳太郎が攻め上がっていく攻撃の形がベースになり、遠藤航や青山のパス、小林のポストプレーを起点に堂安、南野、中島が前を向いてコンビネーションでの崩しを狙う形はここ最近の日本代表と比べても流動的であり、新たな可能性を感じさせた。それについて南野はこう語る。

「試合をやっていて感じたのは、そういう選手とやれるのはすごい楽しくて、自分が思っているところにパスがくるし、思っているところに動き出してくれたりするので、あんまりコミュニケーションとか試合前に多くは取らなかったですけど、そういう連携でうまくいくなというのは自分でも感じたので、それを試合で出せればいいかなと思います」

 大阪に到着してからは9日、10日と非公開でゲーム形式の練習が行われたようだが、森保監督の代名詞である3-4-2-1ではなく、4-4-2あるいは4-2-3-1が採用される見込み。札幌の紅白戦と同じく中島、南野、堂安がスタートから並び立つ可能性も十分にある。

次のページ
前線に豊かな才能が揃う“新生日本代表”