そう意気込む武藤はポーランドのディフェンスについて「両センターバックあんまり速くないので、もしでたらそこを狙っていこうと思います」と語る。前からボールを追うディフェンスに加え、タイミングよく裏に抜ける動きを繰り返せる能力はポーランド戦に適している。

「(本田)圭佑くんだったり大迫くん、点を決めている選手を間近で見て、すごいベンチで見てもワクワクしてましたし、自分もああいう決定づけるゴールを決めればというのはイメージしています」

 そう語る武藤をスタメン起用するケースも、これまでと同じ4-2-3-1を継続していくのが基本戦ではあるが、疲労もある中で、より効率的にポーランドのビルドアップに対してディフェンスをはめ、シンプルにゴール前に入れていく形を増やすには4-4-2の方が適している。その場合は岡崎と武藤を併用するチョイスも浮上する。

 まさしく総力戦。中盤や最終ラインでもコンディションを考えたスタメンの変更は起こりうるが、まず大迫のポジションはタイプこそ違えど有力選手はいるだけに、使い通して先に進めたとしても大迫が使えないという事態は避けたい。

 もちろん流れの中で大迫を投入するケースも出てくるだろうが、まずフレッシュなFWを活用して行くことが求められる試合だ。また、そうした起用がチームを活性化する期待もできる。(文・河治良幸)

●プロフィール
河治良幸
サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを担当。著書は『サッカー番狂わせ完全読本 ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)、『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)など。Jリーグから欧州リーグ、代表戦まで、プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHKスペシャル『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才能”」に監修として参加。8月21日に『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)を刊行予定。