■麻央さん報道見て 「他人事じゃないなって」

――これまで乳がんについて考えたことはありましたか。

 日本で乳がんが増えているってテレビで見ていたし、まったく考えていなかったわけではなかったんです。でも、20代でもなるんだっていうのには本当に驚きました。検診の年代も30、40代くらいが多いですよね。たまたま私はセルフチェックで気づいて病院に行ったから。

――小林麻央さんが一つのきっかけになったというお話も聞きました。

 最初に乳がんっていう病気を自分の中で意識したのは小林麻央さんが治療をしているというニュースがきっかけでした。一度もお会いしたことはないけれど、毎日テレビで見ていた方だったので亡くなられたと知ったときはすごくショックでした。私は20代だけど、他人事じゃないなって。「もし自分がなってしまったらどうすればいいんだろう」って常に考えていました。だから、ショックだけど耐性というか、心構えはありましたね。

 普段から世の中で起きている事件や事故も他人事じゃないなって思っていて、常に自分に置き換えるようにしています。「絶対私は関係ない」っていうのは思ったことはないです。

――告知を受けて、色んな感情が出てくる中で、どういう風に気持ちを持ち直しましたか?

 最初は25歳という年齢でなったことに「これからどうしよう」と不安ばかり想像してしまいました。でも、少し視野を広げて見たときに同世代でもなっている方がいないわけじゃないことを知ったんです。そういう方が前向きに頑張っているのを自分なりに感じて、「私もまだ人生が長いし、くよくよしてもダメだな」って思いました。

 それと、今は治らない病気ではないっていうのも病院で知ったし、可能性はゼロじゃない。時間はかかるけど、治していく。それに、これはきっと他で経験できないことだって。みんな何が起こるか、明日のことも分からない中で生きているじゃないですか。そんな中で乳がんを通して経験できることが人として成長できることだとも思っているので、嘆くよりはその先にもっと楽しいことがあると思って過ごしていきたい。

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