――しこりがあって、病院に行くのも怖くなかったですか。

 普段から「ずっと健康でいよう」って心がけていたので、自分が病院に行くということもすごく嫌でした。不安だし、乳腺外科にも行ったことがなかったんです。最初に産婦人科に行って、乳腺外科で診てもらったほうが良いって紹介していただきました。そこからもまた検査で病院に行かなきゃいけなくて、そのたびに「どうしてこんなに行かなきゃいけないんだろう」って思いながら通っていましたね。

――去年の12月にしこりに気づいて、手術まで4カ月くらいですよね。

 もっと早いのかな? って思っていたんです。病院に行ったら、明後日くらいに手術するのかなってくらいの気持ちでした。なので、「私は手術されるのかな? されないのかな?」っていう、待ちが長く感じました。最初、手術は3月予定だったけど、病院のスケジュールもあって4月になったんです。手術まで長かったな。こんなに待つんだって。

――診断を受けて、手術までの時期がちょうど冬から春でしたよね。新生活が始まる時期でもあります。矢方さんもSNSに桜の写真を載せていました。

 毎年花見に行っているんですけど、「当たり前のようにお花見ができたりっていうことも突然当たり前じゃなくなる日も来るのかな」ってふと考えて書きました。

 病気になったときは、「病気=死」っていうイメージがあったんですけど、今回治療したり先生とお話をする中で、「死」っていう言葉は言われてもいないし、自分でも感じていないので、生きていこうという強い思いがあるし、何もマイナスには捉えていないです。

――今の状態はステージ2bと公表されていましたよね。

 2b……。これ、どうしましょう。あの、テレビでは2bなんですけど、病理検査の結果ではステージ3aだったんです。でも、乳がんのステージって関係あるとは思うんですけど、私は重く捉えていなくて。検査結果がちょっと悪かっただけで、治療をフルコースでやるっていう形なので。先生にも「あなたは死にます」って言われたわけじゃないし、ステージは上がったけれど頑張るしかないなって。

 結果が悪かったのはちょっと「おぉ」ってなったんですけど、病気って気の持ちようなのかなって思っていて。知り合いにも「生存率10%以下」、「末期」って言われていたけど、突然がんが消えて今は元気な方も見てきました。そういう方ってすごく明るいし、病気に絶対負けないっていう思いを持っている方が多いなって思っています。私もまだまだこれから楽しみたいなって思っているので、そこにとらわれずに「負けない」って思いながらいこうかなって。

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麻央さん報道を見て思ったこと