――ほしいときにほしい言葉をかけてくれるんですね。その後は事務所の方やご友人に?

 事務所の方には「もしかしたらそういう病気かも」と伝えていたので、結果が分かってから報告しました。後は一緒にお仕事をしてくださっている方や仲の良い友達にも「実は」って伝えたり。

――伝えたときはどんなお返事がありましたか。

 “病気”っていうのはすごく重たい言葉なのかな? とも思っていたので、勇気がいりました。でも、みんな「何かできることがあったら言ってね」って言ってくれましたね。全員には連絡できなかったけれど、私のブログやニュースを見て「大丈夫?」って励ましのメッセージももらったり。きっとすごく考えてくれたんだろうなって文面ばっかりでした。

――色んな治療の選択肢がある中で、今の治療法に決めた理由を教えてください。

 自分の今後10年、20年先を見たときに、一度悪い部分を全部取ったほうが再発率も抑えられると思ったからです。一部だけを切って、形を作るという方法もあったんですけど、今は医学が進んでいて、全摘をしてもすごくきれいに再建できるというお話も聞きました。そっちの方が長く生きていく中で自分には良いのかなと思って決めました。

 それと、私は若年性乳がんの対象に入るので、遺伝性の可能性が高いんです。遺伝の先生とお話をして、色々と調べて、考えて、全摘のほうが良いのかなと。

――まず全摘して、これから再建を考えているんですよね。

 最初は全摘と同時に胸を再建する方法(一次再建)もあるって聞いたんですけど、遺伝の検査結果が出るのがギリギリで、焦って手術方法を決めるのもなと思って。一度胸がなくなるというのは想像できなくて、嫌だなって思いました。でも、これからも自分と長く付き合うわけだし、今は治療に専念して、その後で再建するのが自分に合っているんだって。今は一年後に再建手術をしようと予定を立てています。

――違う選択肢が浮かんだり、迷いはなかったですか?

 迷いはなかったですね。個人的な意見なんですけど、元々胸がそんなに大きいわけじゃなかったので、胸をとるよりは病気をとって、普通に過ごしたいっていう意思が強かったです。「とるか、とらないかだったらとってください」ってお願いしていました。そこは悩まなかったです。巨乳だったら悩んでいたかもしれないですね(笑)。グラビアの方とかテレビでお会いしたことがあるので、そういう方は悩まれるんだろうなって思いました。そういうのも女性は個人差が色々とあると思うので。

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婦人科系の病気、公表しづらさも