僕が担っているのは「料理」「掃除」。例えば掃除は、いつやるのか、どこを掃除するのか、掃除機掛けだけするのか、モップ掛けまでするのかなどは僕が考えます。そしていざやる時には妻にモップ掛けをお願いしたり、トイレ掃除をお願いしたりします。

 パートナーがある程度家事スキルがあって、大きなジャンル分けでも委ねられるようであればプロマネを任せてしまい、考える家事を完全に委ねてしまうのです。正直、お手伝いは楽なので担当外の家事であっても言われたことをやるだけなら大した負担にはならないのです。

 この切り出し方は別に「掃除」「洗濯」「料理」じゃなくてもいい。「曜日(土日はパパが担当)」「時間帯(平日の朝、土日の午前など)」でもいいし、もっと小さく「排水口掃除」「ゴミ捨て」「朝ごはん」などでもいい。そこはお互いの家事スキルと、生活リズムに応じて自分たちなりの切り出し方を見つけるのがいいでしょう。ただしポイントは「考える部分」も含めて委ねてしまうことです。

■「考える」を委ねるメリット

 考える部分を委ねると楽になる、というのはもちろんあります。でも、実はそこを委ねることではじめて担い手が「主体的」になるのです。主体性とは手を動かすだけよりも頭を使うことで芽生えます。

 誰かの言うとおりに物事を進めるだけでは、いつまで経ってもお手伝いのまま。「考える家事」を上手に委ねて、夫婦が共に主体的に家事に取り組む家事シェアをはじめましょう!(文/三木智有)

三木智有(みき・ともあり)/NPO法人tadaima!代表・家事シェア研究家・子育て家庭のモヨウ替えコンサルタント。2011年に”ただいま!”と帰りたくなる家庭で溢れた社会の実現を目指し、家事シェアを広める活動を開始。元インテリアコーディネーターの経験を活かした、子育て家庭のモヨウ替えを年間100件以上行う